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“SIGMA vs ZEISS vs CANON” キヤノンEFマウント用50mm単焦点レンズ対決!

“SIGMA vs ZEISS vs CANON” キヤノンEFマウント用50mm単焦点レンズ対決じゃ~!
…と、息巻いてはみたものの参戦レンズは
SIGMA 50mm F1.4 DG HSM Art A014
Carl Zeiss Planar T* 1,4/50 ZE(COSINA)
CANON EF50mm F1.8 II
の3本。
共通してるのは“キヤノンEFマウント向け50mmレンズ”って事だけで
光学系もサイズも重量も価格も発売時期もF値もフォーカス方式も全く違う3本。
本当ならEF50F1.2LとかOtus1.4/55とかMilvus1.4/50が出た方が盛り上がるんだろうし
「何で“旧撒き餌レンズ”なんだよ!STM化された“新撒き餌レンズ”出せよ!」ってのも分かるけど
実はテストしたのは1年以上前の昨年の2月なのだ。当時はまだ新撒き餌レンズは発売前なので仕方がない。
友達のBLACKPORTERさんとそれぞれ手持ちの50mmレンズを持ち寄って比較テストしてみた、ってだけ。

元々ブログにUPする予定でもなかったんだけど、MC-11とのセットも発表されたりして
シグマ50F1.4A014に対する注目もまた高まってきてるかな~?と思ったのと
未だに色んな所で言われ続けてる“シグマレンズはボケが硬い、ツァイスレンズはボケが軟らかい”
みたいなの、ホントかぁ?その認識ってちょっと違うんじゃね?って思ったので
実例を見てから判断してもらおうじゃあ~ないかと思った次第。

テスト撮影のデータと比較をまとめた合計77ファイルはFlickrのアルバムにまとめてあります。
ボディは5D2、三脚使用、マニュアル撮影、ライブビュー&MF、露出やWBは固定で撮影しました。
テストはそれぞれのレンズの絞り開放と1段ごとの絞り値で撮ったけど枚数が多くなっちゃうし
F11よりも絞っていってもそれぞれの特徴の差は分かり辛くなってくるのでF8までを公開しました。


■TEST 1 【最短撮影距離(0.45mで統一)での描写と絞り値による変化、発色傾向の比較】
20160415_01_TEST1_EF50F18_F18
EOS 5D MARK II / CANON EF50mm F1.8 II / F1.8 1/640秒 ISO100■

20160415_07_TEST1_ZEISS50F14_F14
EOS 5D MARK II / Carl Zeiss Planar T* 1,4/50 ZE / F1.4 1/1000秒 ISO100■

20160415_13_TEST1_SIGMA50F14_F14
EOS 5D MARK II / SIGMA 50mm F1.4 DG HSM A014 / F1.4 1/1000秒 ISO100■

■TEST 1のまとめその1、中央部分を拡大比較。
20160415_73_TEST1_Comparison1
【等倍はコチラ】
EF50F1.8IIとプラナー1.4/50ZEはどちらも“対称形”とか“ダブルガウス構成”とか言われる光学系なので
描写の傾向も近い。F1.8とF1.4の違いなのかもしれないけどプラナー1.4/50ZEの絞り開放はモヤモヤ。
50F1.4A014は軸上色収差の出方を見てもらえば分かる通り若干後ピンで撮っちゃったんだけど
“最短撮影距離+絞り開放”という一番描写が荒れる状況でも開放からビシッと解像してる。
ピント面よりも手前側が緑、奥側が紫に色付く軸上色収差はどのレンズでも出てる。
絞っていくと消えていくけど収まり方が最も速いのは50F1.4A014。

■TEST 1のまとめその2、右側のカラーチャートを90度回転させて拡大比較。
20160415_74_TEST1_Comparison2
【拡大版はコチラ(若干縮小してるので等倍ではありません。)】
全体的な発色の傾向はプラナー1.4/50ZEが寒色、50F1.4A014が暖色、EF50F1.8IIが両者の中間。
発色の傾向はEF50F1.8IIがアッサリ、プラナー1.4/50ZEがコッテリ、50F1.4A014が両者の中間。
色味や発色は後でいじれる部分だけどコッテリとした濃い口の発色が欲しいならプラナー1.4/50ZEだね。

■TEST 2 【無限遠距離の描写と周辺光量の絞り値による変化の比較】
20160415_19_TEST2_EF50F18_F18
EOS 5D MARK II / CANON EF50mm F1.8 II / F1.8 1/1250秒 ISO100■

20160415_25_TEST2_ZEISS50F14_F14
EOS 5D MARK II / Carl Zeiss Planar T* 1,4/50 ZE / F1.4 1/2000秒 ISO100■

20160415_31_TEST2_SIGMA50F14_F14
EOS 5D MARK II / SIGMA 50mm F1.4 DG HSM A014 / F1.4 1/2000秒 ISO100■

■TEST 2のまとめ、中央部分を拡大比較。
20160415_75_TEST2_Comparison1
【等倍はコチラ】
ちゃんと三脚使用&ライブビュー&拡大表示&MFでピントを合わせたんだけどプラナー1.4/50ZEは甘い。
EF50F1.8IIは絞り開放から結構解像するし絞ると更にビシッと締まる。撒き餌恐るべし。
50F1.4A014は流石と言うか、開放からレベルが違い過ぎる。そして絞ると更にヤバイ。
中央部分に限れば50F1.4A014の絞り開放F1.4の方がプラナー1.4/50ZEのF5.6よりも解像してる。


■TEST 3 【中間距離での描写と背景ボケ具合の比較1】
20160415_37_TEST3_EF50F18_F18
EOS 5D MARK II / CANON EF50mm F1.8 II / F1.8 1/1250秒 ISO100■

20160415_43_TEST3_ZEISS50F14_F14
EOS 5D MARK II / Carl Zeiss Planar T* 1,4/50 ZE / F1.4 1/2000秒 ISO100■

20160415_49_TEST3_SIGMA50F14_F14
EOS 5D MARK II / SIGMA 50mm F1.4 DG HSM A014 / F1.4 1/2000秒 ISO100■

■TEST 3のまとめ、ピント部分のバラのつぼみを拡大比較。
20160415_76_TEST3_Comparison1
【等倍はコチラ】
まとめはピント部分の拡大比較でそれぞれ差も出てるけど、見て欲しいのは全体表示での描写。
EF50F1.8IIとプラナー1.4/50ZEはピント面は甘く、背景ボケはザワザワ&ぬるぬるしててウルサイ。
絵画的な描写と言うか、画面全体での主張は強いんだけど被写体とボケの描写のコントラストは弱い。
とても面白い描写だし魅力的。でも作家性を出したいなら良いかもしれんけどお仕事には使い辛そう。
対して50F1.4A014はピント面はシャキッと、背景ボケはホワッとナチュラルにボケてる。
メインのバラのつぼみと背景ボケの描写のコントラストが強いので被写体の浮き立ち方が桁違い。
『俺が撮りたかった点(ポイント)はココだぁー!』って撮り手側の意図が見る側により明確に伝わる描写。
描写の傾向の好みの話は抜きにして、どのレンズが一番良く写るか?って話なら50F1.4A014がダントツ。


■TEST 4 【中間距離での描写と背景ボケ具合の比較2】
20160415_55_TEST4_EF50F18_F18
EOS 5D MARK II / CANON EF50mm F1.8 II / F1.8 1/640秒 ISO100■

20160415_61_TEST4_ZEISS50F14_F14
EOS 5D MARK II / Carl Zeiss Planar T* 1,4/50 ZE / F1.4 1/1000秒 ISO100■

20160415_67_TEST4_SIGMA50F14_F14
EOS 5D MARK II / SIGMA 50mm F1.4 DG HSM A014 / F1.4 1/1000秒 ISO100■

■TEST 4のまとめ。
20160415_77_TEST4_Comparison1
【等倍はコチラ】
TEST 3の話を補足する感じ。背景にある遊具や木漏れ日の玉ボケの描写の違い。
EF50F1.8IIとプラナー1.4/50ZEはボケの輪郭が際立つザワザワしたボケ方。
50F1.4A014はホワッとナチュラルなボケ方。


全体のまとめ。
今回改めて3本のレンズの描写の違いをチェックし直してみたけど、やっぱりシグマ50F1.4A014はスゴイ。
まぁ今回の相手の2本はどちらも価格も安いし設計も古いレンズなので当然と言えば当然なんだけどね。
もっと高価なレンズとの比較なら「同等の描写性能なのに大幅にリーズナブル!」とかって言えるけど
今回の2本相手では「大きく、重く、価格が高い分描写性能も凄い」って順当な結果にしかならないね(汗

でも描写の傾向に関しての「シグマのレンズはボケが硬い、ツァイスのレンズはボケが軟らかい」みたいな
メーカーで一括りにした表現は乱暴過ぎるんじゃあ~ないのかい?ってのは分かっていただけたかと。
レンズは古典物理の世界。メーカーで描写が決まるんじゃなくて、設計によって描写は変わる。
メーカーが違っても光学系が近ければ描写は似る。同じメーカーのレンズでも光学系が違えば描写も違う。
「シグマのレンズはシャープだ!」って情報が広まる過程で実際には使ってない人の勝手な想像が混ざって
「シグマのレンズはシャープだけどボケも硬い!」みたいな間違った情報が広まったのかもしれんね。
実際は【ピント面のシャープさ】【ボケのナチュラルさ】【各種収差の少なさ】が組み合わさって出来る
【ピント面とボケとの分離が明確でコントラストの強い、被写体が浮き立つ描写】ってのが俺の印象。

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