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SIGMA Photo Pro (SPP) 6.5.2 公開!SPP6.5.1と比較してGPUの恩恵を検証してみた。

おいおい!ライトバズーカの話じゃないのかよ!?とか言われそうだし
俺もIGMA 100-400mm F5-6.3 DG OS HSM C017の事を書いたり写真UPしたいけど
その前にSPP6.5.2のウチのPC環境でのテスト結果を書いておく。テストしちゃったからには書かないとね。

2016/12/19にSPP6.5.0が公開され、sdQHのDNGデータへの対応などに加えて
・RAWデータのレビューウインドウでの画像処理や画像の保存の際にGPUを使用することで
 処理の高速化を図りました。(SIGMA sd Quattroシリーズ, dp QuattroシリーズのRAWデータのみ)

という大きな機能アップデートがありました。
続いて年越しも差し迫った2016/12/27にSPP6.5.1が公開され
・グラフィックボードのドライバが最新版でない場合でもQuattroシリーズの
 X3Fファイルが開けるように対応しました。

という最初のバグフィックス対応。

このタイミングでGPU支援対応前のSPP6.4.1とGPU支援が使えるようになったSPP6.5.1とで
処理速度や動作の安定性がどう違ってくるかをテストしてみたエントリーがコチラ↓
SIGMA Photo Pro (SPP) 6.5.1 公開!SPP6.4.1と比較してGPUの恩恵を検証してみた。

この時の結果をざっくりまとめると
・初代DPシリーズのデータは少し高速化されてはいるけど元々データが軽くて
 殆ど不満は無かったので体感的な速度UPはほぼなし。良くも悪くも安定してる。
・Merrill世代機のデータはGPU支援の恩恵は無いけどSPP6.4.1の時と比べると
 SPP6.5.1では処理速度が約1.5倍に高速化。ある意味一番恩恵が大きい。
・Quattro世代機のデータはGPU支援をONにすると確かに処理は速くなるけど
 ウチのPC環境だと現像(JPEG保存)開始から7枚目で必ずSPPが落ちてしまう。
といった結果でした。

この前の新製品体験イベント2017spring(inシグマ本社)で聞いていたけど今回のSPP6.5.2では
・環境設定内にあるGPU高速化を有効にした際の速度の向上を図りました。
 (効果はご使用のコンピュータ環境によって異なります。)
・GPU高速化を有効にした際に、一部のコンピュータ環境において動作エラーとなる現象を修正しました。
・GPU高速化を有効にした環境で、複数の画像を選択して現像処理を行うと
 一部のコンピュータ環境によっては、現像途中でエラーが発生する 不具合を修正しました。

とGPU支援をONにした時の不安定だった部分が大幅に改善された模様。


というワケで、備忘録も含めて改めてSPP6.5.1と6.5.2の処理速度や安定性を比較。

【PCのスペック】
■メーカー・モデル名:マウスコンピュータ MDV ADVANCE ST 6300X
■OS: Windows 10 Pro
■CPU: Intel Core i7-920 2.67GHz
■メモリ: 12GB(1333MHz 2GB × 6枚)
■GPU: NVIDIA GeForce GTX 750 Ti(VRAM 2GB)
OSをVISTAから10にしたり昨年10月にGPUをGTX 285から750 Tiに交換した以外は
2009年春の購入時の構成そのままという老体PC。多分今の特別ハイスペックでもないノートPCに負ける。
「これだけハイスペックのPCにすればこんなに速くなるんだぜ!」的な参考にははならいけど逆に
「この程度のスペックのPCで現像・JPEG保存した時の速度はこんぐらいか~」って参考にはなるかと。

【テスト方法】
■GPUのドライバーを最新(テスト時の最新版はVer.381.65)に更新する。
■上記PCのOSやSPPがインストールされてる内蔵HDD(これも購入当時から継続使用中の老体)の
 デスクトップにフォルダを作り世代の違うDP2x、DP3M、dp3Q、sdQのX3Fデータを20枚ずつ格納。
 コピーしてSPP6.5.1で現像する用とSPP6.5.2で現像する用との二組を用意する。
■上記フォルダをSPPで参照して同じフォルダにX3FからJPEG保存(画質12)する。
■現像設定はWB・晴れ、カラーモード・スタンダード、ノイズリダクションは中央で統一。
■レンズプロファイルや白飛び低減、ハイライト拡張、ゴースト色低減などカメラによって
 あったりなかったりする項目のチェックは全て外す。
■上書き保存にならないように各設定でJPEG保存されたデータを削除してから次のテストを実施。
■タイム計測はスマホ(iPhone6Plus)のストップウォッチ(なので±0.5秒ぐらいは公差)。
■テスト中に他のアプリが動いたり通知が来たりしないようにPC、スマホ共に
 他のアプリは起動せず、ネット接続も切ってテスト。
■タスクマネージャでJPEG保存中のCPU使用率とメモリ使用量も計測。
 SPPを起動していないアイドリング時のメモリ使用量は2.7GB/12GB。
■上記の設定・方法で
 1. SPP6.5.1、メモリ追加なし、GPU高速化なし
 2. SPP6.5.1、メモリ追加あり、GPU高速化なし
 3. SPP6.5.1、メモリ追加なし、GPU高速化あり
 4. SPP6.5.1、メモリ追加あり、GPU高速化あり
 5. SPP6.5.2、メモリ追加なし、GPU高速化なし
 6. SPP6.5.2、メモリ追加あり、GPU高速化なし
 7. SPP6.5.2、メモリ追加なし、GPU高速化あり
 8. SPP6.5.2、メモリ追加あり、GPU高速化あり
 の8パターンの処理時間を計測。カメラ4台分なので合計32回。あ~疲れた。

【計測結果】
■DP2x → 20枚合計273.59MB(1枚平均13.7MB)
 1. SPP6.5.1、メモリ追加なし、GPU高速化なし
       → 1m38s (4.9秒/1枚、167.5MB/1分、CPU使用率15%、メモリ使用量3.5GB)
 2. SPP6.5.1、メモリ追加あり、GPU高速化なし
       → 1m35s (4.8秒/1枚、172.8MB/1分、CPU使用率15%、メモリ使用量3.5GB)
 3. SPP6.5.1、メモリ追加なし、GPU高速化あり
       → 1m36s (4.8秒/1枚、171.0MB/1分、CPU使用率15%、メモリ使用量3.5GB)
 4. SPP6.5.1、メモリ追加あり、GPU高速化あり
       → 1m38s (4.9秒/1枚、167.5MB/1分、CPU使用率15%、メモリ使用量3.5GB)
 5. SPP6.5.2、メモリ追加なし、GPU高速化なし
       → 1m39s (5.0秒/1枚、165.8MB/1分、CPU使用率15%、メモリ使用量3.2GB)
 6. SPP6.5.2、メモリ追加あり、GPU高速化なし
       → 1m35s (4.8秒/1枚、172.8MB/1分、CPU使用率15%、メモリ使用量3.2GB)
 7. SPP6.5.2、メモリ追加なし、GPU高速化あり
       → 1m35s (4.8秒/1枚、172.8MB/1分、CPU使用率15%、メモリ使用量3.2GB)
 8. SPP6.5.2、メモリ追加あり、GPU高速化あり
       → 1m36s (4.8秒/1枚、171.0MB/1分、CPU使用率15%、メモリ使用量3.2GB)

■DP3M → 20枚合計960.37MB(1枚平均48.0MB)
 1. SPP6.5.1、メモリ追加なし、GPU高速化なし
       → 6m42s (20.1秒/1枚、143.3MB/1分、CPU使用率100%、メモリ使用量4.0GB)
 2. SPP6.5.1、メモリ追加あり、GPU高速化なし
       → 6m28s (19.4秒/1枚、148.5MB/1分、CPU使用率100%、メモリ使用量4.7GB)
 3. SPP6.5.1、メモリ追加なし、GPU高速化あり
       → 6m30s (19.5秒/1枚、147.7MB/1分、CPU使用率100%、メモリ使用量4.0GB)
 4. SPP6.5.1、メモリ追加あり、GPU高速化あり
       → 6m36s (19.8秒/1枚、145.5MB/1分、CPU使用率100%、メモリ使用量4.5GB)
 5. SPP6.5.2、メモリ追加なし、GPU高速化なし
       → 6m39s (20.0秒/1枚、144.4MB/1分、CPU使用率100%、メモリ使用量3.7GB)
 6. SPP6.5.2、メモリ追加あり、GPU高速化なし
       → 6m28s (19.4秒/1枚、148.5MB/1分、CPU使用率100%、メモリ使用量4.4GB)
 7. SPP6.5.2、メモリ追加なし、GPU高速化あり
       → 6m29s (19.5秒/1枚、148.1MB/1分、CPU使用率100%、メモリ使用量3.7GB)
 8. SPP6.5.2、メモリ追加あり、GPU高速化あり
       → 6m28s (19.4秒/1枚、148.5MB/1分、CPU使用率100%、メモリ使用量4.4GB)

■dp3Q → 20枚合計1027.32MB(1枚平均51.4MB)
 1. SPP6.5.1、メモリ追加なし、GPU高速化なし
       → 10m03s (30.2秒/1枚、102.2MB/1分、CPU使用率100%、メモリ使用量4.0GB)
 2. SPP6.5.1、メモリ追加あり、GPU高速化なし
       → 9m55s (29.8秒/1枚、103.6MB/1分、CPU使用率100%、メモリ使用量4.7GB)
 3. SPP6.5.1、メモリ追加なし、GPU高速化あり
       → 6m33s (19.7秒/1枚、156.8MB/1分、CPU使用率100%、メモリ使用量4.8GB)
 4. SPP6.5.1、メモリ追加あり、GPU高速化あり
       → 6m45s (20.3秒/1枚、152.2MB/1分、CPU使用率100%、メモリ使用量5.2GB)
 5. SPP6.5.2、メモリ追加なし、GPU高速化なし
       → 9m55s (29.8秒/1枚、103.6MB/1分、CPU使用率100%、メモリ使用量3.7GB)
 6. SPP6.5.2、メモリ追加あり、GPU高速化なし
       → 9m54s (29.7秒/1枚、103.8MB/1分、CPU使用率100%、メモリ使用量4.4GB)
 7. SPP6.5.2、メモリ追加なし、GPU高速化あり
       → 5m25s (16.3秒/1枚、189.7MB/1分、CPU使用率100%、メモリ使用量3.8GB)
 8. SPP6.5.2、メモリ追加あり、GPU高速化あり
       → 5m26s (16.3秒/1枚、189.1MB/1分、CPU使用率100%、メモリ使用量4.5GB)
※何度試しても現像する写真の順番を変えてもJPEG保存開始から7枚目でGPUエラーで止まってしまうので
 5枚ごとに分けてJPEG保存→SPP再起動、を4回繰り返す。表記時間は4回の保存時間の合計。


■sdQ → 20枚合計1027.32MB(1枚平均51.4MB)
 1. SPP6.5.1、メモリ追加なし、GPU高速化なし
       → 10m23s (31.2秒/1枚、98.9MB/1分、CPU使用率100%、メモリ使用量4.0GB)
 2. SPP6.5.1、メモリ追加あり、GPU高速化なし
       → 10m18s (30.9秒/1枚、99.7MB/1分、CPU使用率100%、メモリ使用量4.7GB)
 3. SPP6.5.1、メモリ追加なし、GPU高速化あり
       → 7m12s (21.6秒/1枚、142.7MB/1分、CPU使用率100%、メモリ使用量4.8GB)
 4. SPP6.5.1、メモリ追加あり、GPU高速化あり
       → 7m09s (21.5秒/1枚、143.7MB/1分、CPU使用率100%、メモリ使用量5.2GB)
 5. SPP6.5.2、メモリ追加なし、GPU高速化なし
       → 10m24s (31.2秒/1枚、98.8MB/1分、CPU使用率100%、メモリ使用量3.7GB)
 6. SPP6.5.2、メモリ追加あり、GPU高速化なし
       → 10m21s (31.0秒/1枚、99.3MB/1分、CPU使用率100%、メモリ使用量4.4GB)
 7. SPP6.5.2、メモリ追加なし、GPU高速化あり
       → 5m42s (17.1秒/1枚、180.2MB/1分、CPU使用率100%、メモリ使用量3.8GB)
 8. SPP6.5.2、メモリ追加あり、GPU高速化あり
       → 5m44s (17.2秒/1枚、179.2MB/1分、CPU使用率100%、メモリ使用量4.5GB)
※何度試しても現像する写真の順番を変えてもJPEG保存開始から7枚目でGPUエラーで止まってしまうので
 5枚ごとに分けてJPEG保存→SPP再起動、を4回繰り返す。表記時間は4回の保存時間の合計。


【まとめ】
・SPP6.5.1から6.5.2になってリリース内容の通りGPU支援をONにしても
 Quattro世代機の現像・JPEG保存がフリーズしなくなったのは非常に嬉しい。
・SPP6.5.1ではGPU支援ONでQuattro世代機のデータをJPEG保存処理中ずっと
 メモリ使用量が増え続けていって7枚目で5GBを超えた辺りで毎回フリーズしてた。
 SPP6.5.2ではちゃんと1枚保存する毎に使用量が一旦減ってメモリを解放出来ているようだった。
・カメラの種類を問わず一律でメモリ使用量が0.3GBほど減ったのもSPP6.5.2の特徴。
・初代DPシリーズのX3Fデータはメモリ追加をONにしてもGPU支援をONにしても
 JPEG保存時間、PCへの負荷共にほぼ変化なし。CPU使用率が15%程度までしか上がらないのを見ると
 「片手間で処理してるんじゃない!もっと本気出せよぉ!」と松岡修造ばりに吠えたくなる。
・Merrill世代機のX3Fデータはメモリ追加をONにするとメモリ使用量は増えるものの
 JPEG保存時間には変化が出ないのが面白い。GPU支援ONによる変化は全く無し。
・Quattro世代機のテストは前回はsdQのみだったけど、今回データサイズが全く同じになる
 20枚を選んでdp3Qも追加参戦。面白い事に同じQuattro世代機で、データサイズも同じなのに
 JPEG処理時間はdp3QよりもsdQの方が長く掛かる。同じQuattro世代機でも
 dpQには白飛び低減画素、sdQには位相差AF画素が入っている。その処理の違いが結果に出たのかも。
・Merrill世代機とQuattro世代機のデータサイズと処理時間の関係を見ていると
 GPU支援を使わない場合はMerrill世代機の方が処理時間が短く、1:1:4構造のQuattroセンサーの
 処理の重さが良く分かる結果だったけど、GPU支援がちゃんと使えるようになった事で処理時間は逆転。
・ウチのPC環境だけかもしれないけど【メモリを追加し高速動作させる】のチェックを入れても
 メモリ使用量は多少増えても処理速度に恩恵が殆どないのが何とももどかしい。
 現状12GB中5GBにも満たない。個人的には8GBぐらいまでは使ってくれて良いんだけどね。

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20170425_01_great egret ( Ardea alba )
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