大きな興奮と、喜びと、葛藤と、郷愁と、回帰と、まさかの着地。そんな怒涛の2週間の、まとめの話。
ある日、長年カメラやレンズを愛用してきたSIGMAから秘密のメールが着弾。
“2025/02/24(月)、黒川のシグマ本社にて新製品発表会を行う。参加しますか?”
そして“参加の可否を問わず、当日まではこの発表会の事は絶対に口外せぬように…”と。
メールを受け取った瞬間思い出されたのは2019/07/11のSIGMA fpの発表会。
あの時も大変嬉しい事に発表会にご招待いただき、全くリークされていなかったfpが
Appleでお馴染みの“One More Thing....”としてサプライズ発表された時の
興奮と、その瞬間・その場に立ち会えた事への喜びは忘れられない。
fp発表から5年半。“次の一手”がいよいよ来るのだな…という興奮と共に、それが発表会当日まで
リークされない事を心の底から願っていた。発表会はCP+が開催される週の始め。各社から続々と新製品が
発表されるのに合わせて、その新製品の情報がリークされる事も盛んになる時期。製品情報が洩れて
折角の発表がただの答え合わせになってしまっている現状は本当に残念でつまらないと思う。
発表会の招待が自分以外の誰に、どの範囲まで送られているのかは分からない。
下手に探りを入れて情報のリークに繋がるような事には絶対にしてはならないので
fpの時と同じく、仲の良い写真・カメラ仲間にも発表会の事は何も話さず当日を迎えた。

発表会当日、川崎のシグマ本社には普段よくチェックしている外国のカメラ系メディアの人が沢山。
聞いた話ではシグマが世界中から呼び集めた約200人の外国メディアの人達は発表会の後の
翌日には会津工場へ移動・見学し、そしてそのままCP+になだれ込むという流れ。
皆さんきっと日本の文化・食事・お酒を存分に楽しんで大変良い気分で自国へ帰られた事でしょう…
そんな日本人よりも外国人の方が多い中での発表なので山木社長のプレゼンは英語で、日本人が
同時翻訳された日本語をインカムで聞く方式。(アーカイブ配信されると思ったけど今のところは…)
そんな中で自分を含むユーザー枠のメンツは本当にごく少数のみでした。顔見知りのメンバー同士で
「いや~発表会の事がリークされないかずっと冷や冷やしてたけど、バレなくて良かったね!」などと
話していたけど、集まったメンツの殆どが販売の有無に関わらずfp/fpLの自作アクセサリーを製作・発表
してる人だったので内心「やっぱり。こりゃ~fp/fpLの後継モデルに違ぇねぇ…(ニヤニヤ」と考えていた。

…………のだけど、今コレを読んでいる人はご存じの通り、発表された物・事は全く違っておりました。
●Sigma 16-300mm F3.5-6.7 DC OS | Contemporary 発表および発売時期決定のお知らせ
●Sigma 300-600mm F4 DG OS | Sports 発表および発売時期決定のお知らせ
●Sigma Iシリーズ リニューアルモデル発売のお知らせ
●フルサイズミラーレスカメラ Sigma BF 発表および発売時期決定のお知らせ
●VI(ビジュアルアイデンティティ)刷新のお知らせ・アートへの貢献に対するステートメント
以前から多くのユーザーが声を大に要望していた待望の高倍率ズームレンズと、シルバーのI seriesレンズ、
そして超望遠レンズを多くラインナップしているキヤノンやニコンやソニーも出してないロクヨンズーム、
どれもが大きく重要な発表だけど、話題の中心はやはり新VIとそれを具現化したかのようなBFの存在。
直前まで「次のfpはどうなるかね?」とか話してたので「なんか違うのキターー!!?」と大混乱。

最初に正面視のBFを見た時はその小さく四角くシンプルな形状とデザインにfp/fpLとの共通性を感じたけど
側背面のデザインと操作系と、独自のUIの説明を聞いている内に「fpとは別モンだなコリャ…」と。

それと同時に、正直…「あぁ…ソッチへ行ってしまわれましたかぁ…」と複雑な気持ちにも。
“ソッチ”というのがどっちの事なのか、何を指しているのかは、何となーくでお察しいただければ幸いです。

2022年に完成・移転したシグマの新社屋に初めて訪れた時はまるで美術館や図書館のような
オッシャレーな外観や内装や各所に並べられた高級海外ブランドの調度品を見てそれ以前との違いに
驚いたけど、今回の新VIやBFの発表や、当日振舞われた軽食まで含めて、コレが完成形なのだなと感じた。
全てが統一されている。近年のシグマが成りたかったモノ、成ろうとしていたモノが、今回ついに完成した。
今この瞬間が “これまでのシグマ” と “これからのシグマ” の分岐点なのだ………という印象を強く感じた。

このとても重要で大切な瞬間と場所にご招待いただいた事、改めて、心より感謝申し上げます。
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さて、発表プレゼン終了後に本社屋内で開催されたタッチアンドトライで数回、そして後日開催された
CP+の会場でもタッチアンドトライの長い列に並び改めて数回触ってみたBFの印象ですが…
大変に美しく、オシャレで、スマートで、まるで…そう、まるで…と過去の色々を
思い出し…「自分向けのカメラでは無いな」というのが現状での結論。

自分にとっての初Foveonカメラだった2012年発売のDP2Mから長年愛用してきたシグマの新型カメラ。
今回と同様、大々的に発表されたfpから5年半ぶりの新カメラ。この祭りに、ビッグウェーブに、乗りたい!
盛大に盛り上げたい!そういう気持ちは大いにあるのだけれど、残念ながら、BFも、BFのUIも、新VIも
自分には刺さらない方向、好みではない方向に進んでいってしまったなぁ…という寂しい気持ちでいる。
BFへの興味はある。
もっと色んな事が知りたい。のだけど、新しいサイトのデザインも
BFの製品ページも、余りにも見辛いばかりで見る気になれないのです。
なぜあんなにも文字が小さいのか。画像のサイズとのバランスは適切なのか。
なぜスペックや特長を読むのにディスプレイの端っこと睨めっこせにゃならんのか。
PCのモニターではウィンドウのサイズを変えてみたり、表示倍率を変えたり色々と試しても
6~7インチのスマホで見ても、10~11インチのタブレットで見ても、どうにもこうにもしっくりこない。
2019年以前のプレスリリース含め、リンクが切れちゃってトップ画面に戻されるページも沢山ある。
有名なトコが手掛けたようで、絶賛している人も居るけど…俺とは違うものを見ているのか。
もの凄く強いメッセージを発する言葉や文章が沢山使われているけど…うーーーーん…
皆さん、何となーーくの雰囲気に呑まれて流し読みさせられているのではないか。
その一文、その単語から、その製品の事がしっかり読み取れているだろうか。
自分としては…雰囲気と勢いで押し切ろうとしているように思えてしまう。
うーーーーーん……今だけ?今後ずっとコレ?本当にコレでイイんか?
良くも悪くも、VI(ビジュアル アイデンティティ)の刷新がどれほど印象を左右するものなのかを実感。
顔馴染みの社員さんと会うと “今までの大好きなシグマから何も変わっていない” と思えるのですけどね。

勿論BFが「ダメだ」とか「売れない」とかは思ってないです。沢山売れるでしょう。バズるでしょう。
fp/fpLがそれまでのFoveon系カメラのユーザーではなかった新しい層を取り込んだように
BFで初めてシグマのカメラを意識し、ユーザーになるという人も多いでしょう。
山木社長による本社での発表会でも、CP+の「新製品について」でも
“ボタンやダイヤルが沢山ある複雑な操作系になっている既存のカメラ”へのアンチテーゼ
がBFの開発のキッカケやコンセプト、想定するユーザー層と絡めて説明されている。
そういう人達は間違いなく沢山いると思うし、そういう人達がスマホではなく
BFで写真や動画を撮るようになってくれたらどれだけ嬉しいかと思う。

…のだけど、じゃあ自分はどうなのかと言えば、残念な事に
“ボタンやダイヤルが沢山ある複雑な操作系になっている既存のカメラ”
こそが大好きで、ココにこそスマホではなく写真や動画を撮る専用のデバイスとしての
カメラの存在意義があると思っているどうしようもないオタクなのです。
買って使い始めた当初は慣れず、困惑し、上手く扱えなかったとしても、使っていく内に
機能や性能の全容を把握し、自分の撮り方や被写体に合わせて各ボタンやダイヤルに好みの機能を割り当て
最初は脳で考えながら操作していた事がいつしか思考せずに脊髄や手が勝手に動くようになり
当初は撮り逃していた被写体を思い通りに撮れるようになっていく。そんなプロセスに
物言わぬ機械との対話に、楽しさや嬉しさを感じてしまう手の施しようのない
カメラオタクには、BFとBFの操作系は……余りにも……「物足りない」
もしくは、“ボタンやダイヤルが沢山ある複雑な既存のカメラ”よりも…「面倒くさい」
という印象になってしまうだろうなと。

BFの操作系が「分からない」とかではないです。とてもシンプルで弄れる範囲、全容は直ぐに把握出来る。
そのシンプルさや、項目の少なさを「分かり易くて使い易そう」と感じるか「コレだけかぁ…」と
物足りなく感じるか、(BFの操作に十分慣れた上で)「逆に面倒くせぇな」と感じるか。
こればっかりはある程度の回数や時間を触ってみないとジャッジ出来ない。
BFが発売され、店頭に並び、皆さんがどう感じるか興味津々。
普段使用している撮影モードは?P?A?S?それともMモード?使っているレンズに絞りリングはある?
AFで撮ってる?AFポイントは自分で移動させる?MFで撮る?マウントアダプターでオールドレンズを使う?
ピントを合わせる時に拡大表示する?ISO感度はオート?マニュアル?カラーモードは?アスペクト比は?
ホワイトバランスは?今使っている自分のカメラを見て、常に操作するボタンやダイヤルの数はいくつある?
全く触れないボタンやダイヤルはある?撮る被写体は動く物?撮影時間に余裕はある?急かされる?…等々。

BFの操作系に順応出来るのか否か、全ては今皆さんが持っているカメラを普段どう操作しているのか次第。
同じ事をBFの操作系でも実現出来そうなのか、無理そうなのか、それは皆さん一人一人違うでしょうから。
BFのUIは大変良く吟味されているとは思うけど、未知との遭遇や魔法を見た様な驚きや発見ではない。
きっと先にダイヤルとボタンの数が決まってしまっていて、その中で何とかやりくりした結果なのだろうと。

BFに対してテンションが上がり切らないもう一つの理由は、あのユニボディが
「7時間も掛けて加工してる」…という所で話が終わってしまっているというのもある。
確かにスゴイ事をしているのだと思う。金属加工をお仕事としている人達ほど驚いているので
専門外の自分が想像するよりももっと難しくコストの掛かる事なのだろう事は想像出来るのだけど。
オタク的には
「そこまでの事をして、あのユニボディを採用して、“カメラの性能として何が可能になったのか?”」
が知りたいのです。
皆さん「7時間かけて加工」や「1日9台しか作れない」に驚き、賞賛し、価値を見出しているけれど
その理由や目的に関心は無いのだろうか?確かに大変美しいボディになったけれど、それだけで満足?
社員さんも、金属加工ををお仕事にしている人も、嘘か誠か「あのボディだけで20万はする」と言う。
それを聞き「なら38万円するのも仕方がないね」と思うか「別ボディだったら大幅に安く出来たのか…」
と思うか、カメラという物に対する価値の比率は皆それぞれ違うでしょうから、ココの評価も変わる。
そのブランド・製品の背景や所有する事、それを所有する自分に悦に浸れる事に価値を見出すのか。
目的を達成する為の道具としての性能や操作性、シャッター音などの官能性に価値を見出すのか。
撮るまでのプロセスは関係なく、得られる写真や動画のデータの質の良し悪しに価値を見出すか。
BFに魅力を感じ、購入し、所有し、使う人達はカメラのどの部分に価値を見出す人達だろうか。

例えば、今回のBFと同様に発表時に大きな話題となったdp Quattroシリーズのあの超横長のボディは
イメージセンサーと熱源となる画像処理チップやバッテリーを物理的に離す事で発熱やノイズ低減
に繋がっている…とか、fp/fpLはヒートシンクを内蔵する事であの小さいボディでも長時間の動画
撮影が可能になっている…とか、そういうカメラとしての機能や求めた性能がデザインに現れていれば
「なるほど」という納得が機能美に繋がり、カメラとしての性能も、得られるデータにも恩恵がある。
BFがカメラとして何を求め、何を実現する為にあのアルミのユニボディ採用に至ったのか?
製品ページを見ても、発表会やCP+で質問しても、明確な答えは得られず終わってしまった。
顔馴染みの社員さんには既に伝えたけれど、そういう部分のストーリーや狙いが製品ページに
少しでも書かれていれば、自分みたいなカメラオタクもBFに興味を持つんじゃないかなと。
逆に言えば、今の製品ページの内容は “オタク避け” としてとても上手く機能していると思いますw
きっと全部分かってて、狙ってそういう風にしているのでしょう。そういう事も含めて
やはり自分みたいなオタクが手を出すようなカメラではない…と思うのです。

AF自体は速度も、追従性も、被写体認識も、fp/fpLとは比べ物にならないレベルで性能が向上しているので
カメラ任せにパシャパシャと気軽に撮るならBFはfp/fpLよりも撮れる物は確実に多いでしょうし
fp/fpLと同様今後のファームアップで性能向上や機能追加もされていくでしょうから
買ったら買ったで楽しいは楽しいのだろうなぁ…とは思うのですけどね。
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というワケで、発表会でもCP+でも、会う人皆が「黒と銀どっち買うんですか?」と聞いてくるし
自作アクセサリーを購入して下さった方に「BF用アクセサリーも楽しみにしています」と言われたり
しているのですが、現状はBFは買わず、BF用アクセサリーの製作もせず、の予定です。申し訳ない。

fp/fpLの時と同じくBFの3Dデータはシグマのサイトから誰でも無料でDL出来るので、ユーザーが
アクセサリーを自作する事自体はシグマとしても「ご自由にどうぞ」というスタンスなのでしょう。
そんな諸々含め、やはり自分が発表会に呼ばれたのは「アクセサリー色々作ってBFを盛り上げよ」という
メッセージだったのだろうと思う。それに応えたい…応えたいのですけどね…うーーーーーーん…
「3DデータあればBF無くてもアクセサリー作れるでしょ」とか「アクセサリーの売上でBF代賄えるでしょ」
と言われたりもする。確かにそうかもしれない。けれど、個人的にはそういう気持ちでは動きたくない。
あくまでカメラとしての魅力に惹かれて欲しいと思うからそのカメラを買い、そのカメラを使っていく中で
「こういうアクセサリーがあったら使い易くなりそうだな」とアイデアが出た物を作ったり
それを使う中で更に別の新しいアイデアが出て改善して、という流れでいたい。
何より、既にマイ脳ミソが勝手にデザインした各アクセサリーを装着したBFを想像したら
「台無しだな」と思ってしまったのよねw 例え多少の不便さがあろうとも、あの美しいデザインのまま
使うのがBFというカメラであり、BFが見せてくれる世界なんじゃないかなと。そう思うのですよ。
他にもまだまだ書きたい事はあるけれど
脳内ジェレミーが「“買わない” と書くだけでこの厚み?」と言ってくるのでココまでで。
新製品に対してやたらめったら批判的に書き立てて注目を集めようとする人を普段どういう目で見ていたかを
思い返すと「グッと堪えて何も書かずに無言を貫くのがオトナというものよ…」と思ったりもしたけれど
同時にその時々に起きた事や感じた事をちゃんとブログやSNSに記しておくと5年後や10年後に
「あぁ、この時はこんな事を言って(思って)たんだなぁ…」と思い出せて便利だよねと。
アレヤコレヤと色々散々書いときながら
結局直ぐにBFを買ってアクセサリーを作り始めるかもしれない。
その時はどうぞ、笑ってやって下され。
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…んで、だ。
残念ながらBFは自分には刺さらなかったけど、BFを見れば見る程、触れば触るほど、考えれば考える程
「一周廻って、fp/fpLってやっぱり面白いカメラなんじゃね?」と思えてきちゃったのです。
そしてBFを触った後にfpを触ると…メッチャ操作し易くて笑えてくるし泣けてくる。
BFと違いボタンやダイヤルのカスタムも可能だから自分好みに出来るし。
fpの発表からはもう5年半も経ってるし、fp/fpLの新ファーム開発ももう終わってそうだし
fpと同じくシンプルで四角くて小型軽量なデザインなBFを見ると、ついつい “BFがfp/fpLの後継”
として見えるかもしれないけど、BFとfp/fpLの “本質” はやっぱり別物だと思うのです。
Quattroセンサーが出てもMerrillセンサーの描写の方が好きというファンが多く残っているのと同じく
BFというカメラが出た後もfp/fpLにしかない要素に魅力を感じ使い続ける人も居るだろうし
BFというカメラを見て触った上で今あえてfp/fpLを買う人も居るだろうなと。
自分ももう一度、fpと向き合ってみよう…そう思っていたら…
レンズが…増えた…

SIGMA I series 17mm F4 DG “DN” C023
Twitter(現X)で何度も呟いてるけど、fp用ではI seriesのキラキラリングが無いF2.8~4系を愛用してる。
キラキラリング付きのF2系の方が描写性能は高いけど大きく重め。キラキラリング無しのF2.8~4系は
小さく軽く、そして寄れる。自分的には後者の方が好みで24mmF3.5、45mmF2.8、90mmF2.8を使用。
残る17mmF4もシグブラフォトウォークin桐生の時にお試しさせてもらって好印象だったけど、当時は
前年に発売された焦点距離もF値も内包してる16-28mmF2.8を愛用してたのもあって、購入に至らず。
そんな16-28mmF2.8は昨年末に実施した機材大更新での
「ニコンZマウントに手を出してみよう」「ズームリングの回転方向は揃ってた方が良いよね」
という考えから手放してしまった。そして、どこにも書いていなかったけれど、実は後釜として
ニコンとズームリングの回転方向が同じなLUMIXの18-40mmF4.5-6.3か14-28mmF4-5.6でも
買おうかな…と考えていたのです。「どうせまた夏ボ辺りでCBやるだろうからその時にでも…」と。
しかし今回、BFのリリースに合わせて既存のI seriesレンズも新VIに則した新フォントになったり
モデル名もDN無しになったり、箱のデザインも新しくリニューアルされる事が発表されてしまった。

BFを経てfp系を再評価したのと同じく、CP+で「大曽根、少々語ります。」を見ていたら
「あぁ…やっぱりI seriesのあの小ささと軽さ、それでいてチープではない品質は良いよなぁ…」
「24・45・90mmと同じDN付き旧フォント版の17mmF4をゲットするなら今がラストチャンスでは?」
という考えが脳内を巡ってしまい、帰宅後にお借りした時の写真を見直して「やっぱイイなぁ…」となり
パナの広角ズームを買う計画を変更して急遽、DN付き旧フォント版の17mmF4を購入したのでした。

新しいシグマのビジュアルや製品に対して100%の共感をし切れていない事からくる
これまでの古いシグマに対する郷愁の念が出てきているのかもしれない。
この白と黒の箱を見るのも今回が最後だと思うと少し寂しい。

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昨年末からの撮影機材大更新でこれまでにない程満たされた物欲賢者モード状態が続いていたのにね…
改めて、自分にとってはカメラやレンズという物がどういう存在なのか
何を重視して見て・選んでいるのか、自分がどうしようもないカメラオタクであり
体験イベントやフォトウォークで実際に製品を試したりマニアックな開発ストーリーによって
物欲をどれだけ刺激され、エネルギー源としているのか、を再認識する刺激的で内容の濃い2週間でした。
とは言え流石に買い過ぎだ。ペース飛ばし過ぎだ。暫くは自重し
物欲よりも写欲やDIY欲で人生を楽しんでいくとします。
長々と失礼しました。読んでくれてありがとう。
新しいシグマの更なる発展を祈ります。

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■日本カメラ 2016年3月号に3Dプリンターで製作したカメラアクセサリーが紹介されました!
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■SIGMA 新製品体験イベント 2017 spring(in大阪)にオリジナルアクセサリーを出展しました!
■SIGMA 新製品体験イベント 2017 spring(in黒川)にオリジナルアクセサリーを出展しました!
■自作アクセサリーが【飛びこめ!!沼03】や【engadget日本版】にチラッと登場しました!
■3Dプリンターでこれまで製作してきたSIGMA製品用アクセサリー群のまとめ
■CP+2020シグマブースのミニステージに登壇決定!→CP+中止!→PhotoBar【sa-yo:】で新作発表!
■SIGMA fp Impressionページの新コーナー「+fp」にて紹介していただきました!
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リークされない事を心の底から願っていた。発表会はCP+が開催される週の始め。各社から続々と新製品が
発表されるのに合わせて、その新製品の情報がリークされる事も盛んになる時期。製品情報が洩れて
折角の発表がただの答え合わせになってしまっている現状は本当に残念でつまらないと思う。
発表会の招待が自分以外の誰に、どの範囲まで送られているのかは分からない。
下手に探りを入れて情報のリークに繋がるような事には絶対にしてはならないので
fpの時と同じく、仲の良い写真・カメラ仲間にも発表会の事は何も話さず当日を迎えた。

発表会当日、川崎のシグマ本社には普段よくチェックしている外国のカメラ系メディアの人が沢山。
聞いた話ではシグマが世界中から呼び集めた約200人の外国メディアの人達は発表会の後の
翌日には会津工場へ移動・見学し、そしてそのままCP+になだれ込むという流れ。
皆さんきっと日本の文化・食事・お酒を存分に楽しんで大変良い気分で自国へ帰られた事でしょう…
そんな日本人よりも外国人の方が多い中での発表なので山木社長のプレゼンは英語で、日本人が
同時翻訳された日本語をインカムで聞く方式。(アーカイブ配信されると思ったけど今のところは…)
そんな中で自分を含むユーザー枠のメンツは本当にごく少数のみでした。顔見知りのメンバー同士で
「いや~発表会の事がリークされないかずっと冷や冷やしてたけど、バレなくて良かったね!」などと
話していたけど、集まったメンツの殆どが販売の有無に関わらずfp/fpLの自作アクセサリーを製作・発表
してる人だったので内心「やっぱり。こりゃ~fp/fpLの後継モデルに違ぇねぇ…(ニヤニヤ」と考えていた。

…………のだけど、今コレを読んでいる人はご存じの通り、発表された物・事は全く違っておりました。
●Sigma 16-300mm F3.5-6.7 DC OS | Contemporary 発表および発売時期決定のお知らせ
●Sigma 300-600mm F4 DG OS | Sports 発表および発売時期決定のお知らせ
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どれもが大きく重要な発表だけど、話題の中心はやはり新VIとそれを具現化したかのようなBFの存在。
直前まで「次のfpはどうなるかね?」とか話してたので「なんか違うのキターー!!?」と大混乱。

最初に正面視のBFを見た時はその小さく四角くシンプルな形状とデザインにfp/fpLとの共通性を感じたけど
側背面のデザインと操作系と、独自のUIの説明を聞いている内に「fpとは別モンだなコリャ…」と。

それと同時に、正直…「あぁ…ソッチへ行ってしまわれましたかぁ…」と複雑な気持ちにも。
“ソッチ”というのがどっちの事なのか、何を指しているのかは、何となーくでお察しいただければ幸いです。

2022年に完成・移転したシグマの新社屋に初めて訪れた時はまるで美術館や図書館のような
オッシャレーな外観や内装や各所に並べられた高級海外ブランドの調度品を見てそれ以前との違いに
驚いたけど、今回の新VIやBFの発表や、当日振舞われた軽食まで含めて、コレが完成形なのだなと感じた。
全てが統一されている。近年のシグマが成りたかったモノ、成ろうとしていたモノが、今回ついに完成した。
今この瞬間が “これまでのシグマ” と “これからのシグマ” の分岐点なのだ………という印象を強く感じた。

このとても重要で大切な瞬間と場所にご招待いただいた事、改めて、心より感謝申し上げます。
=================================================
さて、発表プレゼン終了後に本社屋内で開催されたタッチアンドトライで数回、そして後日開催された
CP+の会場でもタッチアンドトライの長い列に並び改めて数回触ってみたBFの印象ですが…
大変に美しく、オシャレで、スマートで、まるで…そう、まるで…と過去の色々を
思い出し…「自分向けのカメラでは無いな」というのが現状での結論。

自分にとっての初Foveonカメラだった2012年発売のDP2Mから長年愛用してきたシグマの新型カメラ。
今回と同様、大々的に発表されたfpから5年半ぶりの新カメラ。この祭りに、ビッグウェーブに、乗りたい!
盛大に盛り上げたい!そういう気持ちは大いにあるのだけれど、残念ながら、BFも、BFのUIも、新VIも
自分には刺さらない方向、好みではない方向に進んでいってしまったなぁ…という寂しい気持ちでいる。
BFへの興味はある。
もっと色んな事が知りたい。のだけど、新しいサイトのデザインも
BFの製品ページも、余りにも見辛いばかりで見る気になれないのです。
なぜあんなにも文字が小さいのか。画像のサイズとのバランスは適切なのか。
なぜスペックや特長を読むのにディスプレイの端っこと睨めっこせにゃならんのか。
PCのモニターではウィンドウのサイズを変えてみたり、表示倍率を変えたり色々と試しても
6~7インチのスマホで見ても、10~11インチのタブレットで見ても、どうにもこうにもしっくりこない。
2019年以前のプレスリリース含め、リンクが切れちゃってトップ画面に戻されるページも沢山ある。
有名なトコが手掛けたようで、絶賛している人も居るけど…俺とは違うものを見ているのか。
もの凄く強いメッセージを発する言葉や文章が沢山使われているけど…うーーーーん…
皆さん、何となーーくの雰囲気に呑まれて流し読みさせられているのではないか。
その一文、その単語から、その製品の事がしっかり読み取れているだろうか。
自分としては…雰囲気と勢いで押し切ろうとしているように思えてしまう。
うーーーーーん……今だけ?今後ずっとコレ?本当にコレでイイんか?
良くも悪くも、VI(ビジュアル アイデンティティ)の刷新がどれほど印象を左右するものなのかを実感。
顔馴染みの社員さんと会うと “今までの大好きなシグマから何も変わっていない” と思えるのですけどね。

勿論BFが「ダメだ」とか「売れない」とかは思ってないです。沢山売れるでしょう。バズるでしょう。
fp/fpLがそれまでのFoveon系カメラのユーザーではなかった新しい層を取り込んだように
BFで初めてシグマのカメラを意識し、ユーザーになるという人も多いでしょう。
山木社長による本社での発表会でも、CP+の「新製品について」でも
“ボタンやダイヤルが沢山ある複雑な操作系になっている既存のカメラ”へのアンチテーゼ
がBFの開発のキッカケやコンセプト、想定するユーザー層と絡めて説明されている。
そういう人達は間違いなく沢山いると思うし、そういう人達がスマホではなく
BFで写真や動画を撮るようになってくれたらどれだけ嬉しいかと思う。

…のだけど、じゃあ自分はどうなのかと言えば、残念な事に
“ボタンやダイヤルが沢山ある複雑な操作系になっている既存のカメラ”
こそが大好きで、ココにこそスマホではなく写真や動画を撮る専用のデバイスとしての
カメラの存在意義があると思っているどうしようもないオタクなのです。
買って使い始めた当初は慣れず、困惑し、上手く扱えなかったとしても、使っていく内に
機能や性能の全容を把握し、自分の撮り方や被写体に合わせて各ボタンやダイヤルに好みの機能を割り当て
最初は脳で考えながら操作していた事がいつしか思考せずに脊髄や手が勝手に動くようになり
当初は撮り逃していた被写体を思い通りに撮れるようになっていく。そんなプロセスに
物言わぬ機械との対話に、楽しさや嬉しさを感じてしまう手の施しようのない
カメラオタクには、BFとBFの操作系は……余りにも……「物足りない」
もしくは、“ボタンやダイヤルが沢山ある複雑な既存のカメラ”よりも…「面倒くさい」
という印象になってしまうだろうなと。

BFの操作系が「分からない」とかではないです。とてもシンプルで弄れる範囲、全容は直ぐに把握出来る。
そのシンプルさや、項目の少なさを「分かり易くて使い易そう」と感じるか「コレだけかぁ…」と
物足りなく感じるか、(BFの操作に十分慣れた上で)「逆に面倒くせぇな」と感じるか。
こればっかりはある程度の回数や時間を触ってみないとジャッジ出来ない。
BFが発売され、店頭に並び、皆さんがどう感じるか興味津々。
普段使用している撮影モードは?P?A?S?それともMモード?使っているレンズに絞りリングはある?
AFで撮ってる?AFポイントは自分で移動させる?MFで撮る?マウントアダプターでオールドレンズを使う?
ピントを合わせる時に拡大表示する?ISO感度はオート?マニュアル?カラーモードは?アスペクト比は?
ホワイトバランスは?今使っている自分のカメラを見て、常に操作するボタンやダイヤルの数はいくつある?
全く触れないボタンやダイヤルはある?撮る被写体は動く物?撮影時間に余裕はある?急かされる?…等々。

BFの操作系に順応出来るのか否か、全ては今皆さんが持っているカメラを普段どう操作しているのか次第。
同じ事をBFの操作系でも実現出来そうなのか、無理そうなのか、それは皆さん一人一人違うでしょうから。
BFのUIは大変良く吟味されているとは思うけど、未知との遭遇や魔法を見た様な驚きや発見ではない。
きっと先にダイヤルとボタンの数が決まってしまっていて、その中で何とかやりくりした結果なのだろうと。

BFに対してテンションが上がり切らないもう一つの理由は、あのユニボディが
「7時間も掛けて加工してる」…という所で話が終わってしまっているというのもある。
確かにスゴイ事をしているのだと思う。金属加工をお仕事としている人達ほど驚いているので
専門外の自分が想像するよりももっと難しくコストの掛かる事なのだろう事は想像出来るのだけど。
オタク的には
「そこまでの事をして、あのユニボディを採用して、“カメラの性能として何が可能になったのか?”」
が知りたいのです。
皆さん「7時間かけて加工」や「1日9台しか作れない」に驚き、賞賛し、価値を見出しているけれど
その理由や目的に関心は無いのだろうか?確かに大変美しいボディになったけれど、それだけで満足?
社員さんも、金属加工ををお仕事にしている人も、嘘か誠か「あのボディだけで20万はする」と言う。
それを聞き「なら38万円するのも仕方がないね」と思うか「別ボディだったら大幅に安く出来たのか…」
と思うか、カメラという物に対する価値の比率は皆それぞれ違うでしょうから、ココの評価も変わる。
そのブランド・製品の背景や所有する事、それを所有する自分に悦に浸れる事に価値を見出すのか。
目的を達成する為の道具としての性能や操作性、シャッター音などの官能性に価値を見出すのか。
撮るまでのプロセスは関係なく、得られる写真や動画のデータの質の良し悪しに価値を見出すか。
BFに魅力を感じ、購入し、所有し、使う人達はカメラのどの部分に価値を見出す人達だろうか。

例えば、今回のBFと同様に発表時に大きな話題となったdp Quattroシリーズのあの超横長のボディは
イメージセンサーと熱源となる画像処理チップやバッテリーを物理的に離す事で発熱やノイズ低減
に繋がっている…とか、fp/fpLはヒートシンクを内蔵する事であの小さいボディでも長時間の動画
撮影が可能になっている…とか、そういうカメラとしての機能や求めた性能がデザインに現れていれば
「なるほど」という納得が機能美に繋がり、カメラとしての性能も、得られるデータにも恩恵がある。
BFがカメラとして何を求め、何を実現する為にあのアルミのユニボディ採用に至ったのか?
製品ページを見ても、発表会やCP+で質問しても、明確な答えは得られず終わってしまった。
顔馴染みの社員さんには既に伝えたけれど、そういう部分のストーリーや狙いが製品ページに
少しでも書かれていれば、自分みたいなカメラオタクもBFに興味を持つんじゃないかなと。
逆に言えば、今の製品ページの内容は “オタク避け” としてとても上手く機能していると思いますw
きっと全部分かってて、狙ってそういう風にしているのでしょう。そういう事も含めて
やはり自分みたいなオタクが手を出すようなカメラではない…と思うのです。

AF自体は速度も、追従性も、被写体認識も、fp/fpLとは比べ物にならないレベルで性能が向上しているので
カメラ任せにパシャパシャと気軽に撮るならBFはfp/fpLよりも撮れる物は確実に多いでしょうし
fp/fpLと同様今後のファームアップで性能向上や機能追加もされていくでしょうから
買ったら買ったで楽しいは楽しいのだろうなぁ…とは思うのですけどね。
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というワケで、発表会でもCP+でも、会う人皆が「黒と銀どっち買うんですか?」と聞いてくるし
自作アクセサリーを購入して下さった方に「BF用アクセサリーも楽しみにしています」と言われたり
しているのですが、現状はBFは買わず、BF用アクセサリーの製作もせず、の予定です。申し訳ない。

fp/fpLの時と同じくBFの3Dデータはシグマのサイトから誰でも無料でDL出来るので、ユーザーが
アクセサリーを自作する事自体はシグマとしても「ご自由にどうぞ」というスタンスなのでしょう。
そんな諸々含め、やはり自分が発表会に呼ばれたのは「アクセサリー色々作ってBFを盛り上げよ」という
メッセージだったのだろうと思う。それに応えたい…応えたいのですけどね…うーーーーーーん…
「3DデータあればBF無くてもアクセサリー作れるでしょ」とか「アクセサリーの売上でBF代賄えるでしょ」
と言われたりもする。確かにそうかもしれない。けれど、個人的にはそういう気持ちでは動きたくない。
あくまでカメラとしての魅力に惹かれて欲しいと思うからそのカメラを買い、そのカメラを使っていく中で
「こういうアクセサリーがあったら使い易くなりそうだな」とアイデアが出た物を作ったり
それを使う中で更に別の新しいアイデアが出て改善して、という流れでいたい。
何より、既にマイ脳ミソが勝手にデザインした各アクセサリーを装着したBFを想像したら
「台無しだな」と思ってしまったのよねw 例え多少の不便さがあろうとも、あの美しいデザインのまま
使うのがBFというカメラであり、BFが見せてくれる世界なんじゃないかなと。そう思うのですよ。
他にもまだまだ書きたい事はあるけれど
脳内ジェレミーが「“買わない” と書くだけでこの厚み?」と言ってくるのでココまでで。
新製品に対してやたらめったら批判的に書き立てて注目を集めようとする人を普段どういう目で見ていたかを
思い返すと「グッと堪えて何も書かずに無言を貫くのがオトナというものよ…」と思ったりもしたけれど
同時にその時々に起きた事や感じた事をちゃんとブログやSNSに記しておくと5年後や10年後に
「あぁ、この時はこんな事を言って(思って)たんだなぁ…」と思い出せて便利だよねと。
アレヤコレヤと色々散々書いときながら
結局直ぐにBFを買ってアクセサリーを作り始めるかもしれない。
その時はどうぞ、笑ってやって下され。
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…んで、だ。
残念ながらBFは自分には刺さらなかったけど、BFを見れば見る程、触れば触るほど、考えれば考える程
「一周廻って、fp/fpLってやっぱり面白いカメラなんじゃね?」と思えてきちゃったのです。
そしてBFを触った後にfpを触ると…メッチャ操作し易くて笑えてくるし泣けてくる。
BFと違いボタンやダイヤルのカスタムも可能だから自分好みに出来るし。
fpの発表からはもう5年半も経ってるし、fp/fpLの新ファーム開発ももう終わってそうだし
fpと同じくシンプルで四角くて小型軽量なデザインなBFを見ると、ついつい “BFがfp/fpLの後継”
として見えるかもしれないけど、BFとfp/fpLの “本質” はやっぱり別物だと思うのです。
Quattroセンサーが出てもMerrillセンサーの描写の方が好きというファンが多く残っているのと同じく
BFというカメラが出た後もfp/fpLにしかない要素に魅力を感じ使い続ける人も居るだろうし
BFというカメラを見て触った上で今あえてfp/fpLを買う人も居るだろうなと。
自分ももう一度、fpと向き合ってみよう…そう思っていたら…
レンズが…増えた…

SIGMA I series 17mm F4 DG “DN” C023
Twitter(現X)で何度も呟いてるけど、fp用ではI seriesのキラキラリングが無いF2.8~4系を愛用してる。
キラキラリング付きのF2系の方が描写性能は高いけど大きく重め。キラキラリング無しのF2.8~4系は
小さく軽く、そして寄れる。自分的には後者の方が好みで24mmF3.5、45mmF2.8、90mmF2.8を使用。
残る17mmF4もシグブラフォトウォークin桐生の時にお試しさせてもらって好印象だったけど、当時は
前年に発売された焦点距離もF値も内包してる16-28mmF2.8を愛用してたのもあって、購入に至らず。
そんな16-28mmF2.8は昨年末に実施した機材大更新での
「ニコンZマウントに手を出してみよう」「ズームリングの回転方向は揃ってた方が良いよね」
という考えから手放してしまった。そして、どこにも書いていなかったけれど、実は後釜として
ニコンとズームリングの回転方向が同じなLUMIXの18-40mmF4.5-6.3か14-28mmF4-5.6でも
買おうかな…と考えていたのです。「どうせまた夏ボ辺りでCBやるだろうからその時にでも…」と。
しかし今回、BFのリリースに合わせて既存のI seriesレンズも新VIに則した新フォントになったり
モデル名もDN無しになったり、箱のデザインも新しくリニューアルされる事が発表されてしまった。

BFを経てfp系を再評価したのと同じく、CP+で「大曽根、少々語ります。」を見ていたら
「あぁ…やっぱりI seriesのあの小ささと軽さ、それでいてチープではない品質は良いよなぁ…」
「24・45・90mmと同じDN付き旧フォント版の17mmF4をゲットするなら今がラストチャンスでは?」
という考えが脳内を巡ってしまい、帰宅後にお借りした時の写真を見直して「やっぱイイなぁ…」となり
パナの広角ズームを買う計画を変更して急遽、DN付き旧フォント版の17mmF4を購入したのでした。

新しいシグマのビジュアルや製品に対して100%の共感をし切れていない事からくる
これまでの古いシグマに対する郷愁の念が出てきているのかもしれない。
この白と黒の箱を見るのも今回が最後だと思うと少し寂しい。

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昨年末からの撮影機材大更新でこれまでにない程満たされた物欲賢者モード状態が続いていたのにね…
改めて、自分にとってはカメラやレンズという物がどういう存在なのか
何を重視して見て・選んでいるのか、自分がどうしようもないカメラオタクであり
体験イベントやフォトウォークで実際に製品を試したりマニアックな開発ストーリーによって
物欲をどれだけ刺激され、エネルギー源としているのか、を再認識する刺激的で内容の濃い2週間でした。
とは言え流石に買い過ぎだ。ペース飛ばし過ぎだ。暫くは自重し
物欲よりも写欲やDIY欲で人生を楽しんでいくとします。
長々と失礼しました。読んでくれてありがとう。
新しいシグマの更なる発展を祈ります。

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by foxfoto
| 2025-03-10 20:00
| ●撮影機材ネタ