SIGMA 14mm F1.8、135mm F1.8、24-70mm F2.8、100-400mm F5-6.3について。
CP+に向けた新レンズ4本がついに正式発表されましたね。
■14mm F1.8 DG HSM A017
35mmフルサイズ対応の超広角14mmレンズの中でF1.8の明るさを実現した世界初のレンズ。
昨年発売の12-24F4アートと同様直径80mmの大口径非球面ガラスを用いた出目金前玉が大迫力。
最大径×全長は95.4×126㎜。ズームじゃない分12-24F4アートの102×131.5mmより若干コンパクト。
重さは1170gと今回発表された4本中重さが未定の24-70F2.8アート以外の中で一番重いと知ってビックリ。
ただMTF曲線や歪曲収差グラフを見ると計測F値が違うものの12-24F4アートは勿論20F1.4アートよりも
優れているので文句は言えない。ってか20F1.4アート以上の描写ってちょっと想像出来ないんですけど。
挟み込みフィルターに非対応っぽいのは星景写真を撮るって人には唯一マイナスな部分かも知れないけど
F1.8という大口径を実現する為には後玉の口径も大きくしなきゃならないのでトレードオフだったのかも。
恐らく星景・夜景・風景・建築などがメインの被写体になるだろうけど20F1.4アートと同様、この画角で
ここまで明るい、前後ボケを出せるレンズは無かっただけに街中でどんな写真が撮れるのかも気になる。
20F1.4アートなどで省略し不評だった距離指標窓の被写界深度目盛が復活したのも喜ばれそうなポイント。
発売時期や価格はまだ未定だけど製品説明には“7本目の35mmフルサイズ対応の単焦点レンズ”とあり
後述の135F1.8アートの方には“6本目の35mmフルサイズ対応の単焦点レンズ”と書かれているので
発売のタイミングは135F1.8アートよりは後になりそう。
■135mm F1.8 DG HSM A017
去年発売の85F1.4アートがあのサイズだったので、F1.8とはいえ135mmが出ると聞いた時は
三脚座が装着された望遠レンズみたいなのを想像してたけど意外や意外、85F1.4アートよりも小さかった。
“FULL、1.5m-∞、0.875m-1.5m”の3ポジションのフォーカスリミッタースイッチが搭載された事も
85F1.4アート使いとしては羨ましいポイント。最短撮影距離も0.875mと0.85mの85F1.4アートに肉薄。
歪曲収差は85F1.4アートの方が優れているけど僅差。MTF曲線や周辺光量は計測F値が違うものの
85F1.4アートを抜いてDG単焦点アートレンズシリーズ中最強。恐ろしい…なんじゃコレ。バケモノか!
レンズ構成図を見て非球面ガラスが1枚も使われてないのにも驚き。最近のこのクラスとしては珍しい。
非球面ガラスは年輪ボケの原因になる部分なので、それを一切使ってない135F1.8アートは解像性能や
コントラストだけじゃなくボケもメチャクチャキレイかもしれない…勘弁してよ!完璧超人かよっ!
いやいや待てよ…球面ガラスだけのレンズは大抵最短撮影距離近辺は描写が荒れたりするもんだ。
そこんところは85F1.4アートの方が優れてるに決まって……え?なになに?製品説明を読め?
“フォーカス方式にフローティング機構を採用。
どの撮影距離でも画面周辺まで最高のパフォーマンスを発揮します。”
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああん!
上記の通り14F1.8アートよりは先に出そうだけど発売時期と価格はまだ未定。
85F1.4アートよりもうんと高額になれば良いんだ…(ボソッ
■24-70mm F2.8 DG OS HSM A017
名称だけリークされた段階では望遠側が短いとはいえF2.8と大口径だし、大三元の標準ズームとなれば
主力中の主力レンズだし、描写性能最優先の設計でくるだろうから24-105F4アートより大きくなるだろう。
フィルター径は85F1.4アートと同じ86mmかな?ぐらいに思ってたんだけど、その後画像がリークされて
フィルター径が24-105F4アートと同じ82mmと分かり、画像を並べたら殆ど変らないサイズで驚いた。
で、今日発表された寸法を見ても88×107.6㎜と、24-105F4アートの88.6x109.4mmよりも小さい…あれ?
最近のシグマは“(他社の競合レンズより)大きく重いけどその分写りは抜群だぜ!”って流れだったのに。
製品説明にある“【高度な非球面加工技術】高性能レンズの設計にかかせない非球面レンズ。シグマでは、SIGMA 12-24mm F4 DG HSM | Art やSIGMA 14mm F1.8 DG HSM | Artのレンズ最前面に採用した精度の高いφ80mmの大型非球面レンズをはじめとして、加工の難しい非球面レンズの加工に取り組んできました。SIGMA 24-70mm F2.8 DG OS HSM | Art は、中央部と周辺部の厚さの比が大きく成型が非常に難しい形状の非球面レンズを使用することにより、高い解像力を実現。さらに非球面レンズの表面をサブミクロンオーダーより1ケタ高い精度で加工することで、非球面レンズで発生しやすい輪線ぼけを大幅に低減し、自然なボケ描写に貢献しています。”って部分が小型化に効いてきてるのかな?
レンズ構成図を見ると確かに前から4枚目に中心部と外周部でかなり肉厚が違う非球面ガラスが使われてるし
“非球面レンズの表面をサブミクロンオーダーより1ケタ高い精度で加工”ってのは最近他社も謳ってる部分。
新しい生産設備やプロセスが投入された事で以前よりも攻めた光学設計が出来るようになってきたのかもね。
今まで作れなかった形状の非球面ガラスを成型出来るようになって全体のガラス枚数が減ったり小さくなって
それがレンズ全体の重さを減らす事にも繋がっていくのなら嬉しい限り。
発売時期や価格が未定なのは他の3本と同じだけど24-70F2.8アートだけ重さも未定のままだし
製品説明に上記の新しい技術について記載されてるのは今回の4本中24-70F2.8アートだけなので
このレンズが新技術投入第1号になるのかも。という事で発売は4本中で最後なるんじゃないかと予想。
■100-400mm F5-6.3 DG OS HSM C017
ハイ、個人的に今回の主役レンズの登場です。レンズ名(=製品スペック概要)がリークされた段階では
100-400mmという焦点距離と5-6.3というF値の組み合わせにコレは一体どんなレンズなんだろうと
色々妄想してきたけど“ライト・バズーカ”という笑えるキャッチーな愛称と共に発表されて見えてきた
サイズや重さや諸々の機能からこのレンズの狙いやポジション、競合レンズとの違いが分かってきた。
※このレンズも他の3本同様発売時期や価格はまだ未定だけど諸々の性能から想定される金額プラス
個人の願望も多分に加味してメーカー希望小売価格13万円、実売10万円スタートという前提で書く。
メーカーによって焦点距離やF値設定に多少の差はあれど各社から出てる35mmフルサイズ対応の
望遠ズームレンズの内、3社以上がラインナップしてるメジャー所をざっくりグループ分けすると
【70-200F4】【70-200F2.8】【70-300F4-5.6】【100-400F4.5-5.6】【150-600F5-6.3】
以上の5グループになると思う。で、周辺機器として【1.4倍テレコン】と【2倍テレコン】がある。
それぞれのサイズ・重さ・実売価格などの平均値をざっくり並べると以下の通り。
【70-200F4】 約78×175mm、約800g、実売約12万円、フィルタ径67mm、テレコン対応。
【70-200F2.8】 約88×200mm、約1500g、実売約24万円、フィルタ径77mm、テレコン対応。
【70-300F4-5.6】 約83×145mm、約800g、実売約9万円、フィルタ径67mm、テレコン非対応。
【100-400F4.5-5.6】約95×200mm、約1500g、実売約22万円、フィルタ径77mm、テレコン対応。
【150-600F5-6.3】 約110×270mm、約2000g、実売約13万円、フィルタ径95mm、テレコン対応。
【1.4倍テレコン】 全長約23mm、約200g、実売約4.5万円
【2.0倍テレコン】 全長約46mm、約300g、実売約4.5万円
これらに対する100-400F5-6.3コンテンポラリーのスペックは
86.4×182.3㎜、1160g、実売約10万円(予想)、フィルタ径67mm、テレコン対応。
【150-600F5-6.3】グループは100-400F5-6.3コンテンポラリー比で焦点距離が1.5倍長い分
全長も1.5倍。逆に言えば100-400F5-6.3コンテンポラリーは150-600クラスの2/3の全長に収まる。
フルサイズと組み合わせて600mmの画角が常時必要ならF値が同じな分150-600の方が正解だろうけど
そうでないならその長さや重さは使用時だけでなく携行時の労力や保管時のスペース確保
前玉径の大きさからくる保護フィルターの価格など諸々の負担もバカにならなくなってくる。
【100-400F4.5-5.6】グループはスポーツ、飛行機、鉄道など望遠領域の主力。テレコン使って
焦点距離を拡張したりフォーカスリミッターや手振れ補正の流し撮りモードなども駆使して
被写体や撮り方に合わせた使い方が出来るけど(俺のように)大きく重く高額で手が出ない人も多い。
テレコンも含めたスペックで言えば【70-200F4+2.0倍テレコン】でも400mmに到達するけど
上記データを参考すると140-400mmF8、約78×221mm、約1100g、実売約16.5万円ぐらいになり
100-400F5-6.3コンテンポラリーよりも広角側が短く、暗く、長く、高額(予想)になってしまう。
【70-200F2.8+2.0倍テレコン】の組み合わせでも同様により大きく、重く、高額になってしまう。
【70-300F4-5.6】グループは小型軽量安価で望遠ズームの入門用として良いけどテレコン非対応で
フォーカスリミッターや手振れ補正の流し撮りモードが無かったりして拡張性や機能性に乏しい。
仮にテレコン装着可能なレンズがあれば1.4倍のと組み合わせる事で“98-420mm F5.6-8”と
近いスペックにはなるけどそんなレンズは存在せず、また機能性不足は変わらない。
100-400F5-6.3コンテンポラリーはAPS-Cと組み合わせれば換算で【150-600F5-6.3】グループに並び
“フルサイズ+【150-600F5-6.3】”よりも“APS-C+【100-400F4.5-5.6】”よりも小型軽量安価で
それでいて機能性や拡張性は同等。400mmという焦点距離を中心に考えると他の方法・選択肢よりも
確かに“ライト”だ。
製品説明に“70-300mmクラスのような小ささ、軽さ、コストパフォーマンスの高さを誇りつつ、400mmの望遠域まで撮影が可能な、超望遠ズームを開発しました。性能にも妥協せず、プロやハイアマチュアの方にも納得頂ける高画質と高機能を実現した”と書かれているけど、確かに強ち間違ってはいないかもしれない。
描写性能に関してもMTF曲線や歪曲収差、周辺光量それぞれ150-600F5-6.3コンテンポラリーと
同等か若干良いんじゃね?ってぐらいの画質が期待出来そうだし、フードの特徴的な形状と共に
“直進ズームとしても使用可能”とハッキリ明記されているのも注目ポイント。150-600の場合だと
スポーツの方には書かれているけどコンテンポラリーの方には書かれてない。コンテンポラリーは
より軽量に仕上げるために、スポーツの方の堅牢性をアピールするために差別化されたポイント。
100-400はコンテンポラリーシリーズで小ささ軽さを売りのひとつにしてはいるけど作りに関する
手抜きは無さそうだ。直進ズームに対応出来る剛性があるという事は光路の歪みも少なく済んで
描写性能も設計通りに発揮してくれるじゃね?と期待。150-600F5-6.3コンテンポラリーでは
細くて操作し辛いと指摘されたフォーカスリングが太く他のレンズに近いデザインになったのも改善点。
望遠ズームのフォーカスリングなんてそんなに触らなさそうだけど、sdQ装着時は結構使いそうだしね…
検索してヒットした上記のレンズ群をカメラ屋で持ったり構えたりした時の印象を思い出しても
今手持ちの望遠レンズOLYMPUS MZD40-150F2.8PRO+MC-14を触っていても感じるけど
望遠ズームに限らず実際に購入候補に入るレンズって大体“全長200mm、重さ1500g”まで。
人によって数値は違うだろうけど今の俺の上限はココまで。今まで望遠側を拡張しようとしては
この上限に当たって断念してきた。結果的にフルサイズ→APS-C→マイクロフォーサーズと
小さいフォーマットのカメラに移行していく事で望遠側を拡張してきたけど、今回F5-6.3
という今までの100-400mmクラスのレンズになかったスペックのレンズが発表された事で
上限をクリアしたままフルサイズで400mm、APS-Cで600mm、テレコンを使えば更に…
という領域へ進む事が可能になったのが嬉しいしどんな写真が撮れるのがワクワクしてる。
分かってる…分かってるって…F5-6.3ってスペックがsd Quattroと相性悪いって事ぐらい…
それでも100-400F5-6.3コンテンポラリーは俺には待望の望遠ズーム…と、思ってる。
発売順序はなんとなくだけど135→100-400→14→24-70かと。発売が楽しみだ。

■OM-D E-M5 Mark II / M.ZD ED 40-150mm F2.8 PRO / MC-14 / F8.0 1/8000秒 ISO200■
=================================================
※3Dプリンターを使ったカメラ&レンズアクセサリー色々製作&販売中です!
◆dpクワトロ用のびる液晶シェード改
◆DPメリル用フードセット
◆THETA&THETAm15用スタンド
◆DPメリル用バッテリー収納グリップ
◆SIGMA LVF-01用アクセサリーセット
◆dp3Q+FT-1201用フードアダプター
◆DPメリル用LVF-01ブラケット
◆EF50F1.8STM用つけっぱなしフード
◆SIGMA dp0Q用つけっぱなしフード
◆日本カメラ 2016年3月号に3Dプリンターで製作したカメラアクセサリーが紹介されました!
◆SIGMA dp1Q & dp2Q用スクエアフード
◆日本カメラ 2016年4月号に3Dプリンターで製作したカメラアクセサリーが紹介されました!
◆SIGMA dp Quattro用カード/USBカバーオープナー等をDMM.makeで販売開始しました!
◆SIGMA sd Quattro / sd Quattro H +PG-41用バッテリー型SDカードホルダー





■My Photo Gallery【flickr】 【500px】
■14mm F1.8 DG HSM A017
35mmフルサイズ対応の超広角14mmレンズの中でF1.8の明るさを実現した世界初のレンズ。
昨年発売の12-24F4アートと同様直径80mmの大口径非球面ガラスを用いた出目金前玉が大迫力。
最大径×全長は95.4×126㎜。ズームじゃない分12-24F4アートの102×131.5mmより若干コンパクト。
重さは1170gと今回発表された4本中重さが未定の24-70F2.8アート以外の中で一番重いと知ってビックリ。
ただMTF曲線や歪曲収差グラフを見ると計測F値が違うものの12-24F4アートは勿論20F1.4アートよりも
優れているので文句は言えない。ってか20F1.4アート以上の描写ってちょっと想像出来ないんですけど。
挟み込みフィルターに非対応っぽいのは星景写真を撮るって人には唯一マイナスな部分かも知れないけど
F1.8という大口径を実現する為には後玉の口径も大きくしなきゃならないのでトレードオフだったのかも。
恐らく星景・夜景・風景・建築などがメインの被写体になるだろうけど20F1.4アートと同様、この画角で
ここまで明るい、前後ボケを出せるレンズは無かっただけに街中でどんな写真が撮れるのかも気になる。
20F1.4アートなどで省略し不評だった距離指標窓の被写界深度目盛が復活したのも喜ばれそうなポイント。
発売時期や価格はまだ未定だけど製品説明には“7本目の35mmフルサイズ対応の単焦点レンズ”とあり
後述の135F1.8アートの方には“6本目の35mmフルサイズ対応の単焦点レンズ”と書かれているので
発売のタイミングは135F1.8アートよりは後になりそう。
■135mm F1.8 DG HSM A017
去年発売の85F1.4アートがあのサイズだったので、F1.8とはいえ135mmが出ると聞いた時は
三脚座が装着された望遠レンズみたいなのを想像してたけど意外や意外、85F1.4アートよりも小さかった。
“FULL、1.5m-∞、0.875m-1.5m”の3ポジションのフォーカスリミッタースイッチが搭載された事も
85F1.4アート使いとしては羨ましいポイント。最短撮影距離も0.875mと0.85mの85F1.4アートに肉薄。
歪曲収差は85F1.4アートの方が優れているけど僅差。MTF曲線や周辺光量は計測F値が違うものの
85F1.4アートを抜いてDG単焦点アートレンズシリーズ中最強。恐ろしい…なんじゃコレ。バケモノか!
レンズ構成図を見て非球面ガラスが1枚も使われてないのにも驚き。最近のこのクラスとしては珍しい。
非球面ガラスは年輪ボケの原因になる部分なので、それを一切使ってない135F1.8アートは解像性能や
コントラストだけじゃなくボケもメチャクチャキレイかもしれない…勘弁してよ!完璧超人かよっ!
いやいや待てよ…球面ガラスだけのレンズは大抵最短撮影距離近辺は描写が荒れたりするもんだ。
そこんところは85F1.4アートの方が優れてるに決まって……え?なになに?製品説明を読め?
“フォーカス方式にフローティング機構を採用。
どの撮影距離でも画面周辺まで最高のパフォーマンスを発揮します。”
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああん!
上記の通り14F1.8アートよりは先に出そうだけど発売時期と価格はまだ未定。
85F1.4アートよりもうんと高額になれば良いんだ…(ボソッ
■24-70mm F2.8 DG OS HSM A017
名称だけリークされた段階では望遠側が短いとはいえF2.8と大口径だし、大三元の標準ズームとなれば
主力中の主力レンズだし、描写性能最優先の設計でくるだろうから24-105F4アートより大きくなるだろう。
フィルター径は85F1.4アートと同じ86mmかな?ぐらいに思ってたんだけど、その後画像がリークされて
フィルター径が24-105F4アートと同じ82mmと分かり、画像を並べたら殆ど変らないサイズで驚いた。
で、今日発表された寸法を見ても88×107.6㎜と、24-105F4アートの88.6x109.4mmよりも小さい…あれ?
最近のシグマは“(他社の競合レンズより)大きく重いけどその分写りは抜群だぜ!”って流れだったのに。
製品説明にある“【高度な非球面加工技術】高性能レンズの設計にかかせない非球面レンズ。シグマでは、SIGMA 12-24mm F4 DG HSM | Art やSIGMA 14mm F1.8 DG HSM | Artのレンズ最前面に採用した精度の高いφ80mmの大型非球面レンズをはじめとして、加工の難しい非球面レンズの加工に取り組んできました。SIGMA 24-70mm F2.8 DG OS HSM | Art は、中央部と周辺部の厚さの比が大きく成型が非常に難しい形状の非球面レンズを使用することにより、高い解像力を実現。さらに非球面レンズの表面をサブミクロンオーダーより1ケタ高い精度で加工することで、非球面レンズで発生しやすい輪線ぼけを大幅に低減し、自然なボケ描写に貢献しています。”って部分が小型化に効いてきてるのかな?
レンズ構成図を見ると確かに前から4枚目に中心部と外周部でかなり肉厚が違う非球面ガラスが使われてるし
“非球面レンズの表面をサブミクロンオーダーより1ケタ高い精度で加工”ってのは最近他社も謳ってる部分。
新しい生産設備やプロセスが投入された事で以前よりも攻めた光学設計が出来るようになってきたのかもね。
今まで作れなかった形状の非球面ガラスを成型出来るようになって全体のガラス枚数が減ったり小さくなって
それがレンズ全体の重さを減らす事にも繋がっていくのなら嬉しい限り。
発売時期や価格が未定なのは他の3本と同じだけど24-70F2.8アートだけ重さも未定のままだし
製品説明に上記の新しい技術について記載されてるのは今回の4本中24-70F2.8アートだけなので
このレンズが新技術投入第1号になるのかも。という事で発売は4本中で最後なるんじゃないかと予想。
■100-400mm F5-6.3 DG OS HSM C017
ハイ、個人的に今回の主役レンズの登場です。レンズ名(=製品スペック概要)がリークされた段階では
100-400mmという焦点距離と5-6.3というF値の組み合わせにコレは一体どんなレンズなんだろうと
色々妄想してきたけど“ライト・バズーカ”という
サイズや重さや諸々の機能からこのレンズの狙いやポジション、競合レンズとの違いが分かってきた。
※このレンズも他の3本同様発売時期や価格はまだ未定だけど諸々の性能から想定される金額プラス
個人の願望も多分に加味してメーカー希望小売価格13万円、実売10万円スタートという前提で書く。
メーカーによって焦点距離やF値設定に多少の差はあれど各社から出てる35mmフルサイズ対応の
望遠ズームレンズの内、3社以上がラインナップしてるメジャー所をざっくりグループ分けすると
【70-200F4】【70-200F2.8】【70-300F4-5.6】【100-400F4.5-5.6】【150-600F5-6.3】
以上の5グループになると思う。で、周辺機器として【1.4倍テレコン】と【2倍テレコン】がある。
それぞれのサイズ・重さ・実売価格などの平均値をざっくり並べると以下の通り。
【70-200F4】 約78×175mm、約800g、実売約12万円、フィルタ径67mm、テレコン対応。
【70-200F2.8】 約88×200mm、約1500g、実売約24万円、フィルタ径77mm、テレコン対応。
【70-300F4-5.6】 約83×145mm、約800g、実売約9万円、フィルタ径67mm、テレコン非対応。
【100-400F4.5-5.6】約95×200mm、約1500g、実売約22万円、フィルタ径77mm、テレコン対応。
【150-600F5-6.3】 約110×270mm、約2000g、実売約13万円、フィルタ径95mm、テレコン対応。
【1.4倍テレコン】 全長約23mm、約200g、実売約4.5万円
【2.0倍テレコン】 全長約46mm、約300g、実売約4.5万円
これらに対する100-400F5-6.3コンテンポラリーのスペックは
86.4×182.3㎜、1160g、実売約10万円(予想)、フィルタ径67mm、テレコン対応。
【150-600F5-6.3】グループは100-400F5-6.3コンテンポラリー比で焦点距離が1.5倍長い分
全長も1.5倍。逆に言えば100-400F5-6.3コンテンポラリーは150-600クラスの2/3の全長に収まる。
フルサイズと組み合わせて600mmの画角が常時必要ならF値が同じな分150-600の方が正解だろうけど
そうでないならその長さや重さは使用時だけでなく携行時の労力や保管時のスペース確保
前玉径の大きさからくる保護フィルターの価格など諸々の負担もバカにならなくなってくる。
【100-400F4.5-5.6】グループはスポーツ、飛行機、鉄道など望遠領域の主力。テレコン使って
焦点距離を拡張したりフォーカスリミッターや手振れ補正の流し撮りモードなども駆使して
被写体や撮り方に合わせた使い方が出来るけど(俺のように)大きく重く高額で手が出ない人も多い。
テレコンも含めたスペックで言えば【70-200F4+2.0倍テレコン】でも400mmに到達するけど
上記データを参考すると140-400mmF8、約78×221mm、約1100g、実売約16.5万円ぐらいになり
100-400F5-6.3コンテンポラリーよりも広角側が短く、暗く、長く、高額(予想)になってしまう。
【70-200F2.8+2.0倍テレコン】の組み合わせでも同様により大きく、重く、高額になってしまう。
【70-300F4-5.6】グループは小型軽量安価で望遠ズームの入門用として良いけどテレコン非対応で
フォーカスリミッターや手振れ補正の流し撮りモードが無かったりして拡張性や機能性に乏しい。
仮にテレコン装着可能なレンズがあれば1.4倍のと組み合わせる事で“98-420mm F5.6-8”と
近いスペックにはなるけどそんなレンズは存在せず、また機能性不足は変わらない。
100-400F5-6.3コンテンポラリーはAPS-Cと組み合わせれば換算で【150-600F5-6.3】グループに並び
“フルサイズ+【150-600F5-6.3】”よりも“APS-C+【100-400F4.5-5.6】”よりも小型軽量安価で
それでいて機能性や拡張性は同等。400mmという焦点距離を中心に考えると他の方法・選択肢よりも
確かに“ライト”だ。
製品説明に“70-300mmクラスのような小ささ、軽さ、コストパフォーマンスの高さを誇りつつ、400mmの望遠域まで撮影が可能な、超望遠ズームを開発しました。性能にも妥協せず、プロやハイアマチュアの方にも納得頂ける高画質と高機能を実現した”と書かれているけど、確かに強ち間違ってはいないかもしれない。
描写性能に関してもMTF曲線や歪曲収差、周辺光量それぞれ150-600F5-6.3コンテンポラリーと
同等か若干良いんじゃね?ってぐらいの画質が期待出来そうだし、フードの特徴的な形状と共に
“直進ズームとしても使用可能”とハッキリ明記されているのも注目ポイント。150-600の場合だと
スポーツの方には書かれているけどコンテンポラリーの方には書かれてない。コンテンポラリーは
より軽量に仕上げるために、スポーツの方の堅牢性をアピールするために差別化されたポイント。
100-400はコンテンポラリーシリーズで小ささ軽さを売りのひとつにしてはいるけど作りに関する
手抜きは無さそうだ。直進ズームに対応出来る剛性があるという事は光路の歪みも少なく済んで
描写性能も設計通りに発揮してくれるじゃね?と期待。150-600F5-6.3コンテンポラリーでは
細くて操作し辛いと指摘されたフォーカスリングが太く他のレンズに近いデザインになったのも改善点。
望遠ズームのフォーカスリングなんてそんなに触らなさそうだけど、sdQ装着時は結構使いそうだしね…
検索してヒットした上記のレンズ群をカメラ屋で持ったり構えたりした時の印象を思い出しても
今手持ちの望遠レンズOLYMPUS MZD40-150F2.8PRO+MC-14を触っていても感じるけど
望遠ズームに限らず実際に購入候補に入るレンズって大体“全長200mm、重さ1500g”まで。
人によって数値は違うだろうけど今の俺の上限はココまで。今まで望遠側を拡張しようとしては
この上限に当たって断念してきた。結果的にフルサイズ→APS-C→マイクロフォーサーズと
小さいフォーマットのカメラに移行していく事で望遠側を拡張してきたけど、今回F5-6.3
という今までの100-400mmクラスのレンズになかったスペックのレンズが発表された事で
上限をクリアしたままフルサイズで400mm、APS-Cで600mm、テレコンを使えば更に…
という領域へ進む事が可能になったのが嬉しいしどんな写真が撮れるのがワクワクしてる。
分かってる…分かってるって…F5-6.3ってスペックがsd Quattroと相性悪いって事ぐらい…
それでも100-400F5-6.3コンテンポラリーは俺には待望の望遠ズーム…と、思ってる。
発売順序はなんとなくだけど135→100-400→14→24-70かと。発売が楽しみだ。

■OM-D E-M5 Mark II / M.ZD ED 40-150mm F2.8 PRO / MC-14 / F8.0 1/8000秒 ISO200■
=================================================
※3Dプリンターを使ったカメラ&レンズアクセサリー色々製作&販売中です!
◆dpクワトロ用のびる液晶シェード改
◆DPメリル用フードセット
◆THETA&THETAm15用スタンド
◆DPメリル用バッテリー収納グリップ
◆SIGMA LVF-01用アクセサリーセット
◆dp3Q+FT-1201用フードアダプター
◆DPメリル用LVF-01ブラケット
◆EF50F1.8STM用つけっぱなしフード
◆SIGMA dp0Q用つけっぱなしフード
◆日本カメラ 2016年3月号に3Dプリンターで製作したカメラアクセサリーが紹介されました!
◆SIGMA dp1Q & dp2Q用スクエアフード
◆日本カメラ 2016年4月号に3Dプリンターで製作したカメラアクセサリーが紹介されました!
◆SIGMA dp Quattro用カード/USBカバーオープナー等をDMM.makeで販売開始しました!
◆SIGMA sd Quattro / sd Quattro H +PG-41用バッテリー型SDカードホルダー
■My Photo Gallery【flickr】 【500px】


by foxfoto
| 2017-02-21 20:00
| ●撮影機材ネタ