SIGMA fp、コロナ禍、そして…Panasonic LUMIX S5IIへ…
皆さま、あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
えぇ~、3年半ぶりに、カメラを、買おうとしています。
前回購入したのは2019年10月25日発売のSIGMA fp
嵐の中レヴォーグで中野のフジヤカメラまで行ってからもう3年以上経ったとは。
この3年間という期間は、そのままコロナ禍の期間とも言える。fpというカメラはコロナ禍と共にあった。

発売した年の冬から新型コロナウイルスが世界を蹂躙し、人々はマスクで顔を覆い、CP+は中止に。
人も物も流通が滞り、様々な行動・活動が制限され、生活様式、働き方も大きく変わった。
在宅勤務に伴うオンラインミーティング増、急遽高まったウェブカメラ需要に
“無駄に高画質で高価なウェブカメラ”としてfpが注目されてたのも懐かしい。
コロナ禍前からどんどん増えていっていたYouTubeのエモ色の映像作品や配信でも
fpのティールアンドオレンジやパウダーブルーといったカラーモードが注目されていたね。

俺は「県境を跨ぐな」「人と集まるな」「お店で食事するな」という御達しに対し
「んじゃ~県内を一人でバイクで走って自分でキャンプ飯作れば文句はないべなぁ!?」と
デイキャンプ用品を買って房総半島内をツーリングして写真を撮ったりを繰り返してストレス発散してた。
小型軽量で振動による不具合が生じ易いメカパーツが少ないfpは、そんな用途にも最適だった。

fpというカメラは俺がこれまでに使ってきたベイヤーセンサーのレンズ交換式カメラの中で
最も小さく、最も軽く、最も高画質なカメラ。使っていて楽しくないワケがない。
更に3Dデータ公開によるアクセサリー製作のサポート等も加わって
購入から3年間以上、本当に楽しませてくれたカメラ。
今だって楽しい。これからも楽しむぞ。

…しかし、fpには小型軽量を優先してメカシャッターを排してしまった事によって
【電子シャッター歪み】と【フリッカー光源下での影の写り込み】という明確な弱点がある。
ツーリング中に食べた物の記録写真、スナップ、風景、星景はめっぽう強いけど
ヒコーキ等の乗り物や、人や動物といった動体を撮るのはめっぽう弱い。
でもコロナ禍の最初の2年間は航空祭や運動会等の学校行事が中止されていたので
fpの弱点が大きな問題になる場面は少なく、気にならなかった。
「メッチャ歪んでるw」と笑いのネタにする程度。

ところがコロナ禍3年目となる2022年になると各種イベント・学校行事が再開され始まった。
春の甥や姪の運動会、ちゃんとピントも来てる。タイミングや構図も良く撮れている。
でも背景になる他の生徒や応援する親族、校舎が電子シャッター歪みでナナメに…
写真を見せた子供らに「なんでみんな(背景の人々)ナナメなの?」とけがれなきまなこで聞かれた時は
さすがに申し訳なくなってしまった。自分一人が見るだけの趣味の写真なら歪んでても許せる。
でも家族や友人の思い出になるような写真は、ちゃんと撮ってあげないとダメだ…と。

一時は毎週末のように羽田や成田へ行き撮っていたヒコーキ写真も、いつの間にか殆ど撮らなくなっていた。
撮りたい被写体の為に機材を選ぶべきなのに、その機材で撮れるものしか撮らなくなっていた。
その事を自覚してしまった時、結構ショックだった。このままでは良くない。

fpは手放さない。今後も使う。でも、fpが苦手な部分だけはもう他のカメラに任せよう。
fpを嫌いにならない為にも、写真を撮る事を嫌いにならない為にも、その方が良い。

そうして夏ごろから動体に強いカメラ探しの旅が始まった。
ざっくりとした条件は
・APS-Cサイズ~フルサイズセンサーのミラーレス機。
・マウント直上のファインダー、可倒式背面ディスプレイ、ボディ内手振れ補正。
・自分の目(メガネ)に合うファインダーと手に合うグリップ形状。
・像が歪まない(メカシャッターor積層センサー)で10コマ/秒程度の連写速度。
・↑設定時に静止画の最高画質の記録形式で100枚程度の連続撮影枚数。
・動体AF性能に優れている事。被写体認識機能があれば更に良し。
・換算100-400mm前後の望遠ズームレンズの選択肢がある事。テレコン対応なら更に良し。
・SIGMA製レンズが使えれば最高。手持ち機材とバッテリーや記録メディアの共用が出来れば更に良し。
・スマホ用カメラ連携アプリがあり、Wi-Fi・Bluetoothで撮影画像のスマホ転送が可能。
・カメラボディ単体で30万円以内、周辺機器やレンズの入替え等も含めた最終的な出費が50万円以内。
といった具合。
具体的に候補に挙がったのは…
・CANON EOS R6 Mark II
・CANON EOS R6
・CANON EOS R7
・Panasonic LUMIX S1
・Panasonic LUMIX S5
・FUJIFILM X-H2s
・FUJIFILM X-H2
・SONY a7IV
どこがどうとかを全部書き出していたらキリがないけど、どれも良い所もあれば悪い所もある。
アレやコレやと吟味して、11~12月の時点で CANON EOS R6 Mark II or FUJIFILM X-H2s の二択に。

年末の頃にはもはや考え悩む事にも疲れ始め、歳末のバカテンションもあり、2021年の時の様に
「フジヤの初売りに行って、その場の気分で決めちゃうか!」とか思っていた時
ギリッ……ギリのタイミングで自分的に最高のダークフォースが現れた。

・Panasonic Lumix S5II & S5IIx
もうね、待望の像面位相差AFを搭載してきた時点で「コレだぁぁーーー!!!!」と。
上記リストにある通り、S1とS5は購入候補に入ってた。なんなら一番最初に思い浮かんだ候補だ。
fpやレンズといったLマウント資産が既にあり、未だ見ぬFFF(仮)を待ち望んでいる自分にとっては
S1とS5の“Lマウントである”という素性は他のカメラには無いものスゴく大きなアドバンテージ。
レンズの買増しや買替えも不要なので他マウント候補と比べて出費を大幅に抑えられるのも良い。
そんな大きなアドバンテージがありつつも候補落ちする理由はDFDというAFの、AFC時のウォブリング。
あの高速かつ強烈にウニョウニョと像が揺れ続けるウォブリング動作は個人的には耐え難いものがあった。
以前フジヤカメラ主催の体験イベントでG9をじっくり試した事がある。イベント参加者特典として
メチャクチャお得な購入プランも提示されて、当時使用していたOM-D E-M1 Mark IIからの乗り換えも
検討したけど、結局ファインダーの見え方(ウォブリングと光学系の歪み)が原因で思いとどまった。
S1もS5も実際に手に持つとガッチリした剛性感はとても好印象。他メーカーで言えばニコンに近い。
他の候補を実際に手にして感じる華奢な印象はないし、G9もAFの歩留まり自体は良かった。
実際に使用しているユーザーが口を揃えて言う発色の良さも全くその通りだった。
でも、あのファインダーを一日覗いて動体を撮り続けられる自信が無い。
あとシグマのマウントアダプターMC-21を経由してSAマウントやEFマウントのレンズを装着すると
AFCモードで撮影出来ないというのも残念ポイント。今でこそ手持ちレンズはミラーレス用のDNレンズ
が主体になってきてるけど、まだSA&EFマウントのレンズばかりだった時に発表されたS1&S1Rで
MC-21経由ではAFCが使えないと判明した時は大層落胆したものだ。「Lアライアンスって何なの?」と。

そんな中で発表されたS5II、ウォブリングのない測距動作を見た瞬間「やった!コレでやっと買える!」と。
“メカシャッター×AFCで7コマ/秒”という連写速度は正直まだ物足りないけれど
“RAW+JPEGで200枚以上の連続撮影枚数(バッファ容量)”は大したものだ。
その他にEVFの解像度増、三角環を使わないストラップ取付、グリップの大型化&形状改善
キレの良いシャッター音、8方向ジョイスティック、リアルタイムLUT、etc.etc.どれも良いアップデート。
そしてSUMIZOONさんの先行レビューによればMC-21経由でもAFCが使用可能との事で最高に嬉しかった。
結局のところ測距時のウォブリングにしてもMC-21でAFCが使えない事にしても全てDFDが原因だったのだ
ウォブリングとMC-21、パナSシリーズを購入するに至らない2つの足枷が像面位相差AF採用で解決した。
コレでEFマウント、SAマウント、Lマウントの全ての手持ちレンズが共用出来るようになる。最高だ。
個人的には「やぁーーっとコレで本当の意味でのLアライアンスが始まったな!」ぐらいの気持ち。
LUMIX BASE TOKYOで開催されたタッチ&トライイベントで実機を触ってきたけど、概ね好印象だった。
AF測距中のファインダー&背面液晶のフレームレートが30fpsに落ちたり、露出の常時プレビューが
キャンセルされてしまう、といった動体スチル撮影ではものスゴく不便な仕様もあるけれど
ソレをパナの中の人が問題点として認識し、今後ファームアップで改善させるべく
動き出している事を明言しているので、ちゃんと改善されると信じてる。

カメラ業界全体としてもS5IIの像面位相差AF搭載と本体&レンズセットの戦略的な価格設定と
太っ腹の予約&キャッシュバックキャンペーンが話題になっているようで、供給不足のリリースも出た。

S5IIの性能をアッパーエントリー機として見るか、ボトムミドル機として見るかで評価は変わるだろうけど
2023年始時点の感覚からすると本体で25万弱、レンズ2本セットで30万弱というのはかなりお得感がある。
更に2~3万円のキャッシュバックと予約特典で予備バッテリーまでプレゼントとなればもうビックリ価格。
発売がCP+開催前という事で他社の新製品待ちによる買い控えを防止する為とはいえ、超気合が入ってる。
一見20-60mmF3.5-5.6と50mmF1.8の2本セットの方がお得に見えるけど、俺はボディ単体を予約。
予約開始直後からレンズ2本を転売する気でダブルレンズキットを予約してる人も結構多いみたいだけど
カメラ屋さんもバカじゃないので予約開始からの2週間弱で20-60と50の買取査定額はどんどん下がってる。
S5II発売までまだ1ヶ月弱、S5IIx発売まではまだ5ヶ月以上ある。査定額・市場価値は今後更に下がりそう。
更に初期不良リスクを考えるとレンズセットは厄介。例えばボディだけ、レンズだけに問題があったとしても
ソレだけを交換はして貰えない。セット丸々の交換になる。内容物が多いほど初期不良を引く確率も上がる。
幸い最近はそういう報告は出てきてないけど、過去には埃まみれの個体が出荷されちゃったりしてるしね…
勿論20-60mmF3.5-5.6や50mmF1.8が欲しい、必要だって人はそのセットを買うのが正解だしお得だけど
転売目的でレンズセットを予約してるって人は……今後更に査定額が下がっていかない事を祈りましょうね。

今フルサイズミラーレスカメラを牽引してるキヤノンやソニー機との性能比較も沢山UPされ始まってるけど
その殆どが動画に関する比較ばかりでスチルオンリーマンな自分にとっては興味が無い。
S5IIの評価は動画機として見るか写真機として見るかでも変わりそう。
S5IIを写真機として見て、AF&連写性能のみで評価するなら…正直S5IIよりも優れた候補は他に沢山ある。
でも、個人的にはもう他のマウントのライバル機との性能の優劣はどうでも良くなってきている。
重要なのは“S5IIが現状のLマウントカメラの中で最も動体スチル撮影に優れたモデルなのか否か”という事。
この点に関しては間違いないでしょう。やっとスチルで動体をまともに撮れそうなLマウント万能機が来た。
とても良くまとまっているけどDFDが足枷になっていたS5が、像面位相差AF搭載で一気に魅力的な存在に。

更に今年後半にはフラッグシップのS1シリーズのモデルチェンジもあるかも?って噂もある……けど
もう気持ち的に限界なのだ。とてもじゃないけど待ってられない。春にはまた運動会がやってくるのだ。
それに3年以上小型軽量なfpをメインで使ってきた身としては、もうS1系のサイズと1kg越えの重さはムリ。

これで動体撮影はS5II、その他の撮影はこれまで通りfp、と役割分担が明確になる。
心を落ち着けて未だ見ぬFFF(仮)をじっくりと待つ事が出来るハズだ。
FFF(仮)が揃って初めて自分的Lアライアンスが完成する。
画質のFFF(仮)、小型軽量のfp、動体のS5II。
Lマウントの三賢者、三権分立。
シグマさん、待ってますよ…いつまででも。
S5II & S5IIxの登場でLマウントのユーザー数やシェアが少しでも伸びてくれる事を切に願ってる。
後々のファームアップでの機能向上も含めて、今日から丁度4週間後の発売が楽しみだ。
※写真は全てこの3年間で撮ってきたSIGMA fpの写真。
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※2023/02/21 追記。 遂に発売されたS5IIは…残念ながら地雷だらけのカメラでしたとさ…
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※3Dプリンターを使ったカメラ&レンズアクセサリー色々製作&販売中です!
◆dpクワトロ用のびる液晶シェード
◆DPメリル用フードセット
◆THETA&THETAm15用スタンド
◆DPメリル用バッテリー収納グリップ
◆SIGMA LVF-01用アクセサリーセット
◆dp3Q+FT-1201用フードアダプター
◆DPメリル用LVF-01ブラケット
◆EF50F1.8STM用つけっぱなしフード
◆SIGMA dp0Q用つけっぱなしフード
◆SIGMA dp1Q & dp2Q & dp3Q用フード
◆SIGMA dp Quattro用カード/USBカバーオープナー(DMM.make)
◆SIGMA sd Quattro / sd Quattro H +PG-41用バッテリー型SDカードホルダー
◆SIGMA DP1、DP1s、DP1x、DP2、DP2s、DP2x用アクセサリー群
◆SIGMA 初代DP、DP Merrill、dp Quattroシリーズ用アルカスイスプレート
◆SIGMA fp+LVF-11用アイピースキャップホルダー&アルカスイス互換プレート
◆SIGMA fp用スモールグリップ&HG-21用追加サムグリップ
◆SIGMA fp用LVF-01ブラケットシリーズ&コールドシュー端子ブラケット
◆SIGMA fp用後玉チェッカー&ライカ エルマー50F2.8用沈胴ストッパー&リミッター
■日本カメラ 2016年3月号に3Dプリンターで製作したカメラアクセサリーが紹介されました!
■日本カメラ 2016年4月号に3Dプリンターで製作したカメラアクセサリーが紹介されました!
■SIGMA 新製品体験イベント 2017 spring(in大阪)にオリジナルアクセサリーを出展しました!
■SIGMA 新製品体験イベント 2017 spring(in黒川)にオリジナルアクセサリーを出展しました!
■自作アクセサリーが【飛びこめ!!沼03】や【engadget日本版】にチラッと登場しました!
■3Dプリンターでこれまで製作してきたSIGMA製品用アクセサリー群のまとめ
■CP+2020シグマブースのミニステージに登壇決定!→CP+中止!→PhotoBar【sa-yo:】で新作発表!
■SIGMA fp Impressionページの新コーナー「+fp」にて紹介していただきました!
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■My Photo Gallery【flickr】 【500px】
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えぇ~、3年半ぶりに、カメラを、買おうとしています。
前回購入したのは2019年10月25日発売のSIGMA fp
嵐の中レヴォーグで中野のフジヤカメラまで行ってからもう3年以上経ったとは。
この3年間という期間は、そのままコロナ禍の期間とも言える。fpというカメラはコロナ禍と共にあった。

発売した年の冬から新型コロナウイルスが世界を蹂躙し、人々はマスクで顔を覆い、CP+は中止に。
人も物も流通が滞り、様々な行動・活動が制限され、生活様式、働き方も大きく変わった。
在宅勤務に伴うオンラインミーティング増、急遽高まったウェブカメラ需要に
“無駄に高画質で高価なウェブカメラ”としてfpが注目されてたのも懐かしい。
コロナ禍前からどんどん増えていっていたYouTubeのエモ色の映像作品や配信でも
fpのティールアンドオレンジやパウダーブルーといったカラーモードが注目されていたね。

俺は「県境を跨ぐな」「人と集まるな」「お店で食事するな」という御達しに対し
「んじゃ~県内を一人でバイクで走って自分でキャンプ飯作れば文句はないべなぁ!?」と
デイキャンプ用品を買って房総半島内をツーリングして写真を撮ったりを繰り返してストレス発散してた。
小型軽量で振動による不具合が生じ易いメカパーツが少ないfpは、そんな用途にも最適だった。

fpというカメラは俺がこれまでに使ってきたベイヤーセンサーのレンズ交換式カメラの中で
最も小さく、最も軽く、最も高画質なカメラ。使っていて楽しくないワケがない。
更に3Dデータ公開によるアクセサリー製作のサポート等も加わって
購入から3年間以上、本当に楽しませてくれたカメラ。
今だって楽しい。これからも楽しむぞ。

…しかし、fpには小型軽量を優先してメカシャッターを排してしまった事によって
【電子シャッター歪み】と【フリッカー光源下での影の写り込み】という明確な弱点がある。
ツーリング中に食べた物の記録写真、スナップ、風景、星景はめっぽう強いけど
ヒコーキ等の乗り物や、人や動物といった動体を撮るのはめっぽう弱い。
でもコロナ禍の最初の2年間は航空祭や運動会等の学校行事が中止されていたので
fpの弱点が大きな問題になる場面は少なく、気にならなかった。
「メッチャ歪んでるw」と笑いのネタにする程度。

ところがコロナ禍3年目となる2022年になると各種イベント・学校行事が再開され始まった。
春の甥や姪の運動会、ちゃんとピントも来てる。タイミングや構図も良く撮れている。
でも背景になる他の生徒や応援する親族、校舎が電子シャッター歪みでナナメに…
写真を見せた子供らに「なんでみんな(背景の人々)ナナメなの?」とけがれなきまなこで聞かれた時は
さすがに申し訳なくなってしまった。自分一人が見るだけの趣味の写真なら歪んでても許せる。
でも家族や友人の思い出になるような写真は、ちゃんと撮ってあげないとダメだ…と。

一時は毎週末のように羽田や成田へ行き撮っていたヒコーキ写真も、いつの間にか殆ど撮らなくなっていた。
撮りたい被写体の為に機材を選ぶべきなのに、その機材で撮れるものしか撮らなくなっていた。
その事を自覚してしまった時、結構ショックだった。このままでは良くない。

fpは手放さない。今後も使う。でも、fpが苦手な部分だけはもう他のカメラに任せよう。
fpを嫌いにならない為にも、写真を撮る事を嫌いにならない為にも、その方が良い。

そうして夏ごろから動体に強いカメラ探しの旅が始まった。
ざっくりとした条件は
・APS-Cサイズ~フルサイズセンサーのミラーレス機。
・マウント直上のファインダー、可倒式背面ディスプレイ、ボディ内手振れ補正。
・自分の目(メガネ)に合うファインダーと手に合うグリップ形状。
・像が歪まない(メカシャッターor積層センサー)で10コマ/秒程度の連写速度。
・↑設定時に静止画の最高画質の記録形式で100枚程度の連続撮影枚数。
・動体AF性能に優れている事。被写体認識機能があれば更に良し。
・換算100-400mm前後の望遠ズームレンズの選択肢がある事。テレコン対応なら更に良し。
・SIGMA製レンズが使えれば最高。手持ち機材とバッテリーや記録メディアの共用が出来れば更に良し。
・スマホ用カメラ連携アプリがあり、Wi-Fi・Bluetoothで撮影画像のスマホ転送が可能。
・カメラボディ単体で30万円以内、周辺機器やレンズの入替え等も含めた最終的な出費が50万円以内。
といった具合。
具体的に候補に挙がったのは…
・CANON EOS R6 Mark II
・CANON EOS R6
・CANON EOS R7
・Panasonic LUMIX S1
・Panasonic LUMIX S5
・FUJIFILM X-H2s
・FUJIFILM X-H2
・SONY a7IV
どこがどうとかを全部書き出していたらキリがないけど、どれも良い所もあれば悪い所もある。
アレやコレやと吟味して、11~12月の時点で CANON EOS R6 Mark II or FUJIFILM X-H2s の二択に。

年末の頃にはもはや考え悩む事にも疲れ始め、歳末のバカテンションもあり、2021年の時の様に
「フジヤの初売りに行って、その場の気分で決めちゃうか!」とか思っていた時
ギリッ……ギリのタイミングで自分的に最高のダークフォースが現れた。

・Panasonic Lumix S5II & S5IIx
もうね、待望の像面位相差AFを搭載してきた時点で「コレだぁぁーーー!!!!」と。
上記リストにある通り、S1とS5は購入候補に入ってた。なんなら一番最初に思い浮かんだ候補だ。
fpやレンズといったLマウント資産が既にあり、未だ見ぬFFF(仮)を待ち望んでいる自分にとっては
S1とS5の“Lマウントである”という素性は他のカメラには無いものスゴく大きなアドバンテージ。
レンズの買増しや買替えも不要なので他マウント候補と比べて出費を大幅に抑えられるのも良い。
そんな大きなアドバンテージがありつつも候補落ちする理由はDFDというAFの、AFC時のウォブリング。
あの高速かつ強烈にウニョウニョと像が揺れ続けるウォブリング動作は個人的には耐え難いものがあった。
以前フジヤカメラ主催の体験イベントでG9をじっくり試した事がある。イベント参加者特典として
メチャクチャお得な購入プランも提示されて、当時使用していたOM-D E-M1 Mark IIからの乗り換えも
検討したけど、結局ファインダーの見え方(ウォブリングと光学系の歪み)が原因で思いとどまった。
S1もS5も実際に手に持つとガッチリした剛性感はとても好印象。他メーカーで言えばニコンに近い。
他の候補を実際に手にして感じる華奢な印象はないし、G9もAFの歩留まり自体は良かった。
実際に使用しているユーザーが口を揃えて言う発色の良さも全くその通りだった。
でも、あのファインダーを一日覗いて動体を撮り続けられる自信が無い。
あとシグマのマウントアダプターMC-21を経由してSAマウントやEFマウントのレンズを装着すると
AFCモードで撮影出来ないというのも残念ポイント。今でこそ手持ちレンズはミラーレス用のDNレンズ
が主体になってきてるけど、まだSA&EFマウントのレンズばかりだった時に発表されたS1&S1Rで
MC-21経由ではAFCが使えないと判明した時は大層落胆したものだ。「Lアライアンスって何なの?」と。

そんな中で発表されたS5II、ウォブリングのない測距動作を見た瞬間「やった!コレでやっと買える!」と。
“メカシャッター×AFCで7コマ/秒”という連写速度は正直まだ物足りないけれど
“RAW+JPEGで200枚以上の連続撮影枚数(バッファ容量)”は大したものだ。
その他にEVFの解像度増、三角環を使わないストラップ取付、グリップの大型化&形状改善
キレの良いシャッター音、8方向ジョイスティック、リアルタイムLUT、etc.etc.どれも良いアップデート。
そしてSUMIZOONさんの先行レビューによればMC-21経由でもAFCが使用可能との事で最高に嬉しかった。
結局のところ測距時のウォブリングにしてもMC-21でAFCが使えない事にしても全てDFDが原因だったのだ
ウォブリングとMC-21、パナSシリーズを購入するに至らない2つの足枷が像面位相差AF採用で解決した。
コレでEFマウント、SAマウント、Lマウントの全ての手持ちレンズが共用出来るようになる。最高だ。
個人的には「やぁーーっとコレで本当の意味でのLアライアンスが始まったな!」ぐらいの気持ち。
LUMIX BASE TOKYOで開催されたタッチ&トライイベントで実機を触ってきたけど、概ね好印象だった。
AF測距中のファインダー&背面液晶のフレームレートが30fpsに落ちたり、露出の常時プレビューが
キャンセルされてしまう、といった動体スチル撮影ではものスゴく不便な仕様もあるけれど
ソレをパナの中の人が問題点として認識し、今後ファームアップで改善させるべく
動き出している事を明言しているので、ちゃんと改善されると信じてる。

カメラ業界全体としてもS5IIの像面位相差AF搭載と本体&レンズセットの戦略的な価格設定と
太っ腹の予約&キャッシュバックキャンペーンが話題になっているようで、供給不足のリリースも出た。

S5IIの性能をアッパーエントリー機として見るか、ボトムミドル機として見るかで評価は変わるだろうけど
2023年始時点の感覚からすると本体で25万弱、レンズ2本セットで30万弱というのはかなりお得感がある。
更に2~3万円のキャッシュバックと予約特典で予備バッテリーまでプレゼントとなればもうビックリ価格。
発売がCP+開催前という事で他社の新製品待ちによる買い控えを防止する為とはいえ、超気合が入ってる。
一見20-60mmF3.5-5.6と50mmF1.8の2本セットの方がお得に見えるけど、俺はボディ単体を予約。
予約開始直後からレンズ2本を転売する気でダブルレンズキットを予約してる人も結構多いみたいだけど
カメラ屋さんもバカじゃないので予約開始からの2週間弱で20-60と50の買取査定額はどんどん下がってる。
S5II発売までまだ1ヶ月弱、S5IIx発売まではまだ5ヶ月以上ある。査定額・市場価値は今後更に下がりそう。
更に初期不良リスクを考えるとレンズセットは厄介。例えばボディだけ、レンズだけに問題があったとしても
ソレだけを交換はして貰えない。セット丸々の交換になる。内容物が多いほど初期不良を引く確率も上がる。
幸い最近はそういう報告は出てきてないけど、過去には埃まみれの個体が出荷されちゃったりしてるしね…
勿論20-60mmF3.5-5.6や50mmF1.8が欲しい、必要だって人はそのセットを買うのが正解だしお得だけど
転売目的でレンズセットを予約してるって人は……今後更に査定額が下がっていかない事を祈りましょうね。

今フルサイズミラーレスカメラを牽引してるキヤノンやソニー機との性能比較も沢山UPされ始まってるけど
その殆どが動画に関する比較ばかりでスチルオンリーマンな自分にとっては興味が無い。
S5IIの評価は動画機として見るか写真機として見るかでも変わりそう。
S5IIを写真機として見て、AF&連写性能のみで評価するなら…正直S5IIよりも優れた候補は他に沢山ある。
でも、個人的にはもう他のマウントのライバル機との性能の優劣はどうでも良くなってきている。
重要なのは“S5IIが現状のLマウントカメラの中で最も動体スチル撮影に優れたモデルなのか否か”という事。
この点に関しては間違いないでしょう。やっとスチルで動体をまともに撮れそうなLマウント万能機が来た。
とても良くまとまっているけどDFDが足枷になっていたS5が、像面位相差AF搭載で一気に魅力的な存在に。

更に今年後半にはフラッグシップのS1シリーズのモデルチェンジもあるかも?って噂もある……けど
もう気持ち的に限界なのだ。とてもじゃないけど待ってられない。春にはまた運動会がやってくるのだ。
それに3年以上小型軽量なfpをメインで使ってきた身としては、もうS1系のサイズと1kg越えの重さはムリ。

これで動体撮影はS5II、その他の撮影はこれまで通りfp、と役割分担が明確になる。
心を落ち着けて未だ見ぬFFF(仮)をじっくりと待つ事が出来るハズだ。
FFF(仮)が揃って初めて自分的Lアライアンスが完成する。
画質のFFF(仮)、小型軽量のfp、動体のS5II。
Lマウントの三賢者、三権分立。
シグマさん、待ってますよ…いつまででも。
S5II & S5IIxの登場でLマウントのユーザー数やシェアが少しでも伸びてくれる事を切に願ってる。
後々のファームアップでの機能向上も含めて、今日から丁度4週間後の発売が楽しみだ。
※写真は全てこの3年間で撮ってきたSIGMA fpの写真。
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※2023/02/21 追記。 遂に発売されたS5IIは…残念ながら地雷だらけのカメラでしたとさ…
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※3Dプリンターを使ったカメラ&レンズアクセサリー色々製作&販売中です!
◆dpクワトロ用のびる液晶シェード
◆DPメリル用フードセット
◆THETA&THETAm15用スタンド
◆DPメリル用バッテリー収納グリップ
◆SIGMA LVF-01用アクセサリーセット
◆dp3Q+FT-1201用フードアダプター
◆DPメリル用LVF-01ブラケット
◆EF50F1.8STM用つけっぱなしフード
◆SIGMA dp0Q用つけっぱなしフード
◆SIGMA dp1Q & dp2Q & dp3Q用フード
◆SIGMA dp Quattro用カード/USBカバーオープナー(DMM.make)
◆SIGMA sd Quattro / sd Quattro H +PG-41用バッテリー型SDカードホルダー
◆SIGMA DP1、DP1s、DP1x、DP2、DP2s、DP2x用アクセサリー群
◆SIGMA 初代DP、DP Merrill、dp Quattroシリーズ用アルカスイスプレート
◆SIGMA fp+LVF-11用アイピースキャップホルダー&アルカスイス互換プレート
◆SIGMA fp用スモールグリップ&HG-21用追加サムグリップ
◆SIGMA fp用LVF-01ブラケットシリーズ&コールドシュー端子ブラケット
◆SIGMA fp用後玉チェッカー&ライカ エルマー50F2.8用沈胴ストッパー&リミッター
■日本カメラ 2016年3月号に3Dプリンターで製作したカメラアクセサリーが紹介されました!
■日本カメラ 2016年4月号に3Dプリンターで製作したカメラアクセサリーが紹介されました!
■SIGMA 新製品体験イベント 2017 spring(in大阪)にオリジナルアクセサリーを出展しました!
■SIGMA 新製品体験イベント 2017 spring(in黒川)にオリジナルアクセサリーを出展しました!
■自作アクセサリーが【飛びこめ!!沼03】や【engadget日本版】にチラッと登場しました!
■3Dプリンターでこれまで製作してきたSIGMA製品用アクセサリー群のまとめ
■CP+2020シグマブースのミニステージに登壇決定!→CP+中止!→PhotoBar【sa-yo:】で新作発表!
■SIGMA fp Impressionページの新コーナー「+fp」にて紹介していただきました!
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by foxfoto
| 2023-01-19 20:00
| ●撮影機材ネタ